2021年5月16日日曜日

精神私宅監置を映画に 毎日新聞 210514

 毎日新聞 令和3年5月14日(15面 くらしナビ)

精神障害者私宅監置を映画に


精神障害のある人を小屋などに隔離する「私宅監置」が、かつて法律で認められていた。沖縄においては、本土復帰する1972年まで続いていた。非人道的な環境に置かれたいわゆる「闇の歴史」といわれる。このことを、独自の調査で明らかにしたドキュメンタリー映画「夜明け前のうた 消された沖縄の障害者」が各地で上映されている。


https://mainichi.jp/articles/20210514/ddm/013/100/022000c

(Web版 精神障害者私宅監置を映画に(有料))


 法律とは、1900年施行精神病者監護法。いわゆる「座敷牢」を合法化したものといわれる。私宅監置者数は毎年3,000人~7,000人ほどになったという。これを問題視した呉秀三氏(精神科医)が入院治療を強く主張した歴史がある。1950年に当該法は廃止となったが、米軍統治が続いた沖縄においては、精神科医療の不足を背景に、1972年まで琉球精神衛生法としてこのしくみが続いてきた歴史がある。

 ドキュメンタリーとしては過去の話題をテーマにしたものです。ただ、「人権侵害」として位置づけると、様々な分野で現代にも続く課題といえると思います。誰かの犠牲の上になりたつ生活。厳密い言えば、私の生活もこうした犠牲があるのでしょう。物事を知るにつれ、そうしたことが見えるようになる。見えなければ、その改善はありえない。生活者として学び続ける意味はこういうところにあるし、このドキュメンタリーもそうした一つの成果だと思う。


■参考

https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c030123/

(ニッポンドットコムおすすめ映画 松本卓也「歴史の闇「私宅監置」に迫る:映画『夜明け前のうた ~消された沖縄の障害者~』」

https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=12

(日本精神神経学会 「歩み3:私宅監置と拘束具」

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/83/

(NHKハートネット 精神障害者の監禁の歴史 精神科医 香山リカさんに聞く)

https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n228/n228_01-01.html

(障害保健福祉研究情報システム(DINF)秋元波留夫「精神障害者は20世紀をどう生きたか」)