2020年8月4日火曜日

長尾彰『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいくチームの話』学研プラス、2020年。

・「組織開発ファシリテーター」長尾氏による「チーム論」。リーダーの在り方を、チーム形成のプロセス(タックマンモデル)に重ねて、グループ/チームの学びや、それぞれの段階におけるふるまい方について説明している。
・学者の分析とは異なり、ファシリテーターの視点で、豊富な経験に基づき、さらに『宇宙兄弟』のエピソードを重ねているため、どんな場面で具体的にどうするか、という指針が得られる。
・前著『完璧なリーダーはもういらない』でも「愚者風」と紹介されていたように、リーダーの在り方は一長一短がある。背景が異なれば、結果は異なるもの。チームの段階やリーダーのパーソナリティによって、似たような場面でもできること・すべきこと、は異なるもの、と実体験では感じるところはあったが、本著はそれをリーダーの立場から整理している。
・本著の「チーム」の考え方を取り入れると、1構成員全員がリーダーシップを発揮する、2リーダーシップは組み合わせても機能する、3「やらない」という行動が望ましい場面がある、ということを学べる。

■以下引用
52 ファシリテーションは「0から1を生み出す」「メンバーが自主的に関わり合い、成長していく」チームリーダーにこそ求められる能力
63 チームの成功法則は、所属するメンバーでしか生み出すことができないものであり、僕たちが多くの成功事例から得られるのは「正解」でなく「学び」や「ヒント」です。
104 「タックマンモデル」=チームの発達段階
108 「無敵」とは(中略)「そもそも敵なんて最初からいない」という捉え方
109 第2ステージへと成長するためには、(中略)心理的安全性が生まれていることが前提となります。
124 「心理的安全性」の確保について
195 いくら素晴らしいチームワークを発揮したメンバーでも、ミッションやプロジェクトが変われば、必ずしもうまくいくとは限りません。(中略)なぜならば、チームの「目的(WHY)」が変わるからです。
217 (チームをアクティブにするために)あえて「しないこと」を増やす。