2020年8月3日月曜日

「外国につながる子どもたちの物語」編集委員会編『クラスメイトは外国人 入門編 ーはじめて学ぶ多分化共生』明石書店、2013年。

・69ページ、日本語を学んだアンドレが「あの日からオレは変わった。っていうか世界が変わった」というセリフが印象的だった。
・外国にルーツをもつ、外国とつながる子どもたち/大人も含めて、が抱えている生活を垣間見た感じがした。あくまで一面でしかないわけだけれども、それくらい根深い、そしてわからない。わからない、から一歩進むための一冊といえるだろう。
・私の生活は日本にとどまっているので、「言葉がわからない」ことのキツさがわかりにくい。必要な情報を手に入れることができないことへの不満と不安。身近なところで、そういうことに困っている人がいるということに気づかない、という怖さを改めて感じた読書となった。
・本書を読んだからといって、何かが具体的に変わるかといえば、面と向かって接する人のアセスメントに時間がかかるようになったことくらいかもしれない。とはいえ、わからない前提で目の前の人から教えてもらう、目の前の人に語ってもらうことの意味を感じ取れるようになるならば、本書に触れた意味はあるのだろう。
・日本にいる外国ルーツの人達の生活をイメージすることは、その人たちと何らかの形で関わる上で必要なことといえる。
・外国ルーツであることを隠していたというお話が印象的だった。理由はどうあれ、自分のことについて「言えない」環境は果たして健全なのか、という疑問が生じた。