2020年8月4日火曜日

池井戸潤『ロスジェネの逆襲』ダイヤモンド社、2012年、Kindle版。

・TVドラマ「半沢直樹」の原作。
・痛快である。ドラマ化されたことをきっかけに読み返してみたが、やはり面白い。勧善懲悪と言い切れない半沢のキャラクターと、彼を取り巻く個性的なサラリーマンたちの物語。
・「これがサラリーマン」と思われると、語弊はあるが、エンターテイメントとして読む分には、半沢語録的なものもあって面白い。
・世の中で筋を通すことの困難と、他のものに巻かれることとを、会社組織という枠組みの中で描いている。
・ドラマで有名になった「倍返しだ!」は、小説ではそんなに出てこない。

以下、引用。
1855 結局、世代論なんてのは根拠がないってことさ。上が悪いからと腹を立てたところで、惨めになるのは自分だけだ。
1884 仕事は与えられるもんじゃない。奪い取るもんだ。
2732 すべての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。
3540 人事が怖くてサラリーマンが務まるか。
3776 仕事の質は、人生の質に直結しますから。
4320 いつもフェアなわけじゃないかも知れない。そこにフェアを求めるのは間違ってるかも知れない。だけど、たまには努力が報われる。だから、あきらめちゃいけないんだ。
4405 批判はもう十分だ。お前たちのビジョンを示してほしい。なぜ団塊の世代が間違ったのか、なぜバブル世代がダメなのか。果たしてどんな世の中にすれば、みんなが納得して幸せになれるのか?会社の組織も含め、お前たちはそういう枠組みが作れるはず。
4412 正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。ただ、それだけのことだ。ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。