2020年8月4日火曜日

「外国につながる子どもたちの物語」編集委員会編『クラスメイトは外国人 課題編 -私たちが向き合う多文化共生の現実』明石書店、2020年。

・緑本。前の2冊と同じく、同じテーマを扱っており短編集のような構成になっているため、本書1冊だけでも充実した内容になっている。
・当事者や専門家に言わせたら「こんなもんじゃない」と言われるのかもしれないが、バランスのとれた内容であって、かつ解説編では歴史や課題の背景を丁寧に解説している。読んでいて考えさせられることばかりである。
・高校生レベルの世界がわかっていると、背景は読みやすいところもある。ただ、世界史で触れなかった内容が原因となって起こっている課題も少なくない。
・とりあげられている課題は、一つ一つが研究対象になるくらいの人権問題ばかりである。それだけでなく、私を含めた「日常生活の中に確かにある」ことばかりで、随所で物事の見方を考えさせられる。
・「知っているつもり」が色眼鏡になることもある。今の時世に通ずることだけれども「情報の質」が改めて問われる内容であった。知らないこともたくさんあったけれども、それらも冷静に情報として取り込む必要がある。
・ちょっとテーマがずれるのだけれども、上記のように感じたので、冷静な情報を意識して取り入れないと、知らぬ間に自分が偏っていく、死角が増えてくる、と思った。事実は事実として取り入れる姿勢は大人に必要なことだろう。