2010年10月15日金曜日

松田公太『すべては一杯のコーヒーから』新潮社、2004年。

タリーズコーヒー元社長で、現在は国会議員(みんなの党)の松田氏による著書。生い立ちから、就職、起業、上場までの軌跡を描く一冊。
いわゆる著名人の自伝というのは、読んでいて非常に面白く、時々読書に混ぜている。
「何か」具体的なスキルを得るというわけではないのだけれども、自らの働き方を見直すいいきっかけになる。
海外の生活経験から、銀行員として就職。アメリカ滞在中に味わったスペシャリティコーヒーを日本に持ち込もうと、手探り、体当たりを繰り返した起業。
カバーにも本文にも、とかく「普通のサラリーマン」を強調するところがあるが、それを差し引いても「事実は小説より奇なり」なのだろうか。読んでいて、松田氏の軌跡が非常に興味深く、何かを真似するというよりも、そのぶっとんだ思考が、新鮮で参考になる。

喫茶店を探す時に、TULLY'Sがあればチョイスしたくなるような気分になる一冊です。

本当になんというか、ぶっとんだ人だなぁという印象が残る一冊だった。
「全然普通じゃないよ!」とつっこみを入れながらも、だから培われたメンタリティなのだろうと思いながら、一方で「そうだ、そうだ!」とうなずきながら読んでみました。
日本の企業に就職した頃のエピソードなどは、先日までプチ職場不適応を起こしていた自分にとっても「まぁ、何とかなるんだろうな」と気分をニュートラルにするための材料になったんだと思う。
松田氏が出馬した頃に、興味があって買ってみて、ようやく読み終わったのだけれども、時期としてもちょうどいいときに当たったように思う。
明るい話ばかりでなく、松田氏の苦労やしんどい時期のことについても書かれており、派手さは感じるものの、やはり一人の人ということに、すごく共感を覚える一冊でした。

余談ですが、ウチのカミさんは、途中まで面白がって読んでいたのに、離婚・再婚歴があると知った時に読書をやめてしまいました。


おすすめ度:★★★★☆