2007年5月9日水曜日

CDを買う

 CDを買う理由ってどこにあるのだろうと考える。私は、気に入ったアーティストや聞いてみたいCDは買って聞くことにしている。カラオケのネタにするくらいなら借りてくる。基本的にレンタルで音楽を聞くのは、あまり好きではない。ちなみに、身近なところで、ウチの嫁さんはCDをほとんど買わない。レンタルしてきて、MDに録音して聞いているのと、我が家のミニコンポの近くに置いてあるのを見かける。 結局、私と嫁さんのスタンスが違うので、事ある毎に「また買ったの?」「借りればいいのに」「売ったらいくらかになるのに」「処分しないの?」とか言われてしまうのだが、買う側の私にしてみれば、結局「記念品」みたいなもので、なかなか処分には至らない。
 この春の転居を機会に、岡山で使っていたラックの中身を整理して、半分以上を実家に送った。嫁さんにしてみたら、それでも「多い」との評価らしい。ゴールデンウィークの休みを利用して、実家の部屋掃除をしてCDも整理してみたのだが、やはり私の中で「記念品」になっているものが多い。高校生の時に格好つけて聞いていたBon Joviや、大学生になって初めて一人暮らしをしたときに持っていった2枚のアルバムや、当時惚れていた子にふられた時に大音量で聞いていたアルバムとか、悩んでいた時に一晩中聞いていたアルバムなんかが出てくると、やっぱり売ったり捨てたりはできない。言ってみれば、結婚式の記念写真みたいなものになってしまっているのだなと思いながら、整理をしていた。
 人によって「その物」の価値は変化する。形見なんてのはその典型だと思う。そして、自分にとって価値あるものというのは、何らかの形で自分の所有物になっていることが条件の一つであると考える。それが他人のもののまま、私にとって価値あるものになるとは思えない。だから、買うことによって私の所有物にしておくのだなと思う。CDはそうした諸々のものの一つであり、借りずに買うことの意味はそこにあると思う。