2023年12月10日日曜日

川島隆太『子どもの脳によいこと大全』プレジデント社、2023年。

  脳トレ川島先生のコンビニムック。なぜかAmazonでは取り扱っていなかった。職場で専門職に勧められて一読。

 子どもの脳の発達について、何がいいとか悪いとかいろいろ言われているけれども、何がいい、何が悪いというよりも、「何が求められているのか」(目的)によって、少し変わってくるのかな、と思いました。スマホは集中力を乱すし、無目的にテレビを観るよりも、外に出ていろんな物に触れて聞いて感じることって脳の柔軟性を養うのに都合がいいのは分かるんだけど、でもそれって誰が誰に求めているのかな、という疑問が生じたわけです。

 人とコミュニケーションをとること、創造性の中でごっこ遊びをすること、スマホやテレビはけじめをもって、集中すべき時間帯には余計な刺激を入れないことなど、どこかで聞いたことのある説を、調査によって説明した上で、時間を決めること、バーチャルに浸かりきらないこと、五感を刺激することなどの有用性を説く一冊です。説得力はあるし、なるほど自分でも試してみようかなという内容ばかりで、一般向けに書かれているので、大変読みやすい本でした。多くの人に勧めたい本です。

 さきほどの疑問について。こういう内容の本だからこそ、「私にとって都合のいい」内容かもしれない、と思ったわけです。世の中はIT技術、Webを介した世の中の仕組みが目の前に広がっていて、トレンドは生成AIをどう使うか、なんてことが雑誌で特集されているわけです。このBlogなんか、立ち位置を変えたら時代錯誤もいいところで、こんな古くさい方法で、個人的な読書感想文なんて、誰の何の役にも立たないよ、とする見え方もあるでしょう。私は必ずしもそうは思っていないわけですが。

 とはいえ、このBlogの対極にいるような立場の人に、本書の内容ってどう響くのかな、と疑問に思ったことは書き留めておこうと思いました。