2022年6月19日日曜日

宮澤正泰『はじめての自治体会計0からBOOK』学陽書房、2020年。

  4月に異動となり、関わる仕事の分野が変わっただけでなく、仕事の質も全く違うものになりました。公金を扱う立場になったのにも関わらず、前職含め、Iyokiyehaは予算、会計など公金に関わることをほとんどやってこなかったので、まずは基礎知識、ということで手に取った一冊。

 会計にまつわる言葉、自分を通って動いていく決裁文書の行方と手続きの意味、など、本来は事務処理をしながら学ぶようなことについて、まずは知識として網羅している(と思われる)内容でした。多分、会計に関わる1,2年生が読むような本ですね。でも、会計シロウトの私としてはこれくらいでいい。

 イラストで流れがわかりやすい、というその記述内容もさることながら、お金の動きというのが社会を動かす基礎になる、ということも感じ取れるような内容でした。要するに、Iyokiyehaが関わる、施設や利用者に支払う給付や補助金というのは、そうした施設やその施設利用を円滑にするものであって「お金の流れが滞れば、施設の維持や利用者の確保が滞る」のである。円滑、というより必要不可欠な循環である。ヒトを含む動物でいえば血流にあたるものが公金の流れ、会計処理が動かすもの、である。

 自治体職員っぽい仕事への異動だったわけですが、これまで見えなかった(実は、見ようとしていなかった)事業の裏方さんの役割がよく見えるようになってきたように思います。それは公金を適切に使うこと、使えるように手続きをすることが会計の役割であって、それは一部の事業を通じて社会のしくみを維持するために不可欠な役割である。ここしばらく数年は、こういったことにプライドをもって仕事をしていくことになりそうです。