2022年6月19日日曜日

オスカー・ブルニフィエ文、クレマン・ドゥヴォー絵、西宮かおり訳、重松清監修『こども哲学 よいこととわるいことって、なに?」朝日出版社、2006年初版、2020年第2版。

  恒例の図書館で、子ども向けの絵本をあれこれと見ていた時に見つけた一冊。平易な表現で手にとる。ただ、問いの質は決して平易なものではない。

 哲学の問いを、こどもの問いとして6問。大人なら「何らかの回答」は示すことができるだろうが、それは「正しい」のか?それとも「よいこと」なのか?あるいは「やってもいいこと」なのか?これらは似ているようで異なる。

 ゆさぶる内容だ。答えや著者の立場は伏せて、様々な立場の様々な意見を列挙して、それを語るのみ。ウチの次女(現在7歳)に見せたところ「書いてあることはわかるんだけど、難しい」と言いつつ、なんだかんだで毎日読んでいるらしい。おそらく、噛み応えのある内容なのだろう。

 こどものように毎日読む内容としては、大人には諦めが入ってしまうほどの内容だろう。「そういうものだから」とつい言ってしまいがちに。とはいえ、少し時間をおいてまた読んでみたいな。多分自分の状態と置かれた状況によって、感じ方が違う本だろうから。