2019年2月11日月曜日

働くことコラム04:就職活動って何だ?

Q「そろそろ、就職活動を始めようと思うのですが・・・」
A「じゃあ、まず応募書類作ろうか」
Q「えっ・・・」
 さて、求職活動編です。
 上記やりとりは、前の職場で雇用支援に携わっていた時に、求職者とのやりとりでよく起こったものでした。大体この後、「宿題」を課していくのですが、ここには多くの求職者の認識と、支援者との認識の間にずれを感じます。
 支援者の中にもいろんな人がいて、いい求人が出てきた段階で突貫で応募書類を作らせる人、訓練の成果を待って応募書類を作らせる人など様々でした。そうした人たちからすれば、私の方法は随分急で無駄な作業であるように写ったようです。
 自分の4年前の転職活動がまさに「自己分析の積み重ね」だったので、こんなやり方をずっとやってきたのですが、具体的に言えば「職務経歴書はフォームを埋めてから、何度も修正するもの」ということです。履歴書はしょうがない、志望動機と通勤時間の欄以外はほとんど変わらないのですが、職務経歴書は就職活動の戦略を反映させられる唯一の書類です。土台となる内容と応募する会社によって内容や表現を組み替えることが求められますし、それを可能にするのは一度や二度では足りない「自己分析」です。
 そこで自分を分析するツールが必要になります。よっぽど機知に富んだ人でないと頭の中で自己分析をすることは難しいので、自分のことを書き出して、時間をおいて眺めながら少しずつ深めていく過程をたどることになります。本屋さんに行けば、この助けとなる書籍はたくさん見つかります。それらも有効だと思いますが、私が自分の転職活動の時に使ったのは、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」です。
 https://www.hellowork.go.jp/member/career_doc01.html
(WEB:ハローワークインターネットサービス)
 無料で、必要事項が網羅されているので、書類作成に一週間程度時間的余裕がある人にはおすすめのツールです。ある業界や業種に特化したものではないので、あくまでも「自分を棚卸しする」ツールとして推薦します。

Q「自己分析ってどうやるんですか?」
A「自分に対するいろんな・あらゆる質問に答えてみること。そして時間をかけて、その回答を磨き上げていくことです」
Q「どれくらいやればいいんですか?」
A「自己分析に終わりはありません。就職活動の応募毎に区切りがやってくるだけです。」

 こういう質問集が役に立つと思います。
○鈴木俊士『公務員試験・自己PR・志望理由がらくらくかけちゃう質問150』
 多分、この手の就職本は本屋さんに行ったらいろいろあると思います。上記の本は、私が転職活動した時に使ったものです。新卒者向けの内容なので、少しアレンジが必要でしたが、これに掲載されている質問をバカ正直に、何度も何度も書き直してみました。この書類が上記「履歴書・職務経歴書の書き方」を使うための材料になりました。自分の就職活動と併せて、前職で自分がアレンジした質問集をツールにして20人くらいに勧めました。バカ正直にやった人は、書類の質が二段階くらい上がったように思います。ほんの数人でしたが…

 就職活動って、こういうものを使って何度も何度も自己分析していくことと、同じように応募先のことを調べていく。自己分析と企業(団体)分析とが両輪になって、応募書類はその真ん中で出来上がってきます。就職を考える15歳以上の人について、応募書類に書くことは「ある」わけです。なぜならば、自分と会社の間で書類は出来上がるんですから。何もない会社が世の中に存在しないように、それまで寝たきりで意識のない人以外は何もない人はいないわけです。ただし、自分の何をどのように表現するか・できるかというのは、就職活動の技能となるわけです。
 よって、
Q「就職活動って何をやるんですか?」
A「自己分析と企業分析を通じて、応募書類を作っていくことです」
 という回答になるわけですね。いやぁ、わかりやすい!って思っているんですが、どうでしょうか?