2010年2月13日土曜日

津田大介『Twitter社会論 新たなリアルタイム・ウェブの潮流』洋泉社、2009年。

話題沸騰中のTwitter。
書店へ行くと、その使い方や活用方法に関する書籍や雑誌が目に付きます。
本著は、その中にあって、単なる使い方や活用方法にとどまらない内容となっています。
Twitterの特徴を、6点から分析し(リアルタイム性や伝播力、属人製の強さ、など)、著者である津田氏の活用法(「tsudaる」意味やノウハウを含む)、そして2006年にサービスが始まって以降、Twitterが社会にインパクトを与えてきた事例を紹介しています。

Iyokiyehaは、まだ面白さやすごさを実感できずに、覗き見&時々つぶやく組にとどまっています。
まだまだ、ブログ派です(本ブログへ通ってくださる方、ありがとうございます)。
本著によって、Twitterの面白い使い方や、社会へインパクトを与えた事例などは、本当に興味深く読ませてもらいました。
例えば、最近法律制定・改正時に見られる「パブリックコメント」のくだり。
本来は、「より民意を反映する」ということで始まった方法ですが、実際にはしれっと官公庁のWebや公報で「パブリックコメント募集します」みたいなお知らせがあるだけで、どんな意見があったのか公開されることなく、意見がどのように反映されたのかも知ることが非常に難しいものになってしまっています。
本来は、「議員がしっかりして」と言いたいところですが、言うは易し。生活に密着する決め事は多種多様な分野にまたがり、意思決定されるため、意見集約には時間がかかることは必至です。
(もちろん、議員さんが議員の仕事をしていることが前提ですが。政治資金うんぬんで進退うんぬんしている人は論外です。)
この「差」を埋めるツールとして機能した、Twitterの事例は本当に面白いと思いました。

よくとりあげられる「即時性」に基づくつぶやきの連鎖や、報道の手前を現地からのつぶやきが情報形成していくといったものもTwitterの特徴であるが、もっと大きないわば「潮流」を生み出す可能性が秘められたツールであることを知る一冊でした。


おすすめ度:★★★★☆(Twitterに興味のある方にはおすすめ)