2009年6月21日日曜日

茂木健一郎、NHK「プロフェッショナル」制作班『プロフェッショナルたちの脳活用法』日本放送出版協会、2009年。

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」100回記念スペシャル、「プロに学べ!脳活用スペシャル」で紹介された内容を、それまでの放送で紹介されたプロフェッショナル達の言葉をひきながら再編集した内容。
「プロフェッショナル」好きな人にはたまらない一冊かと。

節々でビビっとくる内容にまとまっているのだけれども、今、このタイミングで特に響いたのは、以下の3点。
1.楽しむことの天才=子ども
2.自分が仕事に合わせていく
3.8割の力でしか働かない

仕事が忙しい時でも、どこかでそんな自分を、その状況を笑っていることが、どれだけ大きな余裕を心に創りだすことかということを最近よく考える。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2009/06/blog-post_14.html
(2009年6月14日投稿分)
どんなことの中にも、必ず存在する、または創りだす「楽しみ」。
どんなことの中にもそんな「楽しみ」を見つけられたら、きっとパフォーマンスは向上する。
どんな嫌なことも、人のせいにせず、外罰化せず、新しいことと思って取り組めるよう、楽しめるようになりたいものである。

障がい者の雇用支援を仕事にしていると、「その人に『仕事を合わせる』」ということをよく言うのだけれども、これは「支援」の話。
結局、多くの場合はその人がその仕事に合わせられるかどうか、ということの方が継続就労には大きな影響を与えるように思う。
前向きに仕事ができるか否か、ということの方が、障害特性に合わせた仕事のマッチングよりも重要な場合というのが少なくない。
「天職」だの「適職」という言葉が広まっているが、その本質は「やりながら成長する」ことに他ならないわけで。就職する前から「適職を教えてください」というのは、考えることを放棄していることにもなりかねないともいえる。
それはおいておいても、Iyokiyeha自身のことを考えても、別に今の仕事に適性があると思って始めたわけではないわけで。

8割の力でしか働かないというのは、さぼることを推奨するわけではなく、1つめのことと関連して、常に新しいことが入り込む隙間を作っておくということ。
目の前のことに一杯いっぱいになると、その状況を覆す知恵すら入ってこなくなる。
今やっていることを、よりよいものにするために、または、悩んでいることを、具体的に解決していくために、逆説的かもしれないけれども「余裕を持つ」ことのよさを身をもって味わってみようと思う。


おすすめ度:★★★★★(仕事をしている皆さんにおすすめ)