2009年6月14日日曜日

堀江貴文『徹底抗戦』集英社、2009年。

このブログを開設する前に、堀江氏の著書を結構読んでいたのだが、その時に感じていたことが、「堀江氏の主張と、マスコミ報道の内容が、どうも噛み合っていない」ということだった。
「セレブ」という言葉が流行りだした頃で、「時代の寵児」などと騒がれて、マスコミへの露出も大きかった堀江氏。
一番違和感があったのは「女は金でついてくる」の一節。
確かに著書の中にそんな小見出しはあったが、内容は報道とかけ離れたものだったことを記憶している。
「そんな意味じゃなかったような気がするけどなぁ」と思いつつ、尾びれ背びれがついた「ラベル」だけが世の中に浸透し、いつの間にか「悪役」にまつりあげられていた同氏が逮捕されたときにも、「宇宙旅行を夢見て拡大路線を突っ走っている人が、粉飾なんかするのかなぁ」と思ったものだった。

当時の違和感の多くは、本書でカバーされている。
著者が当事者だから、そのあたり差し引いて読んでしまったが、個人的なところを言えば「無罪」に近い形で裁判を終えて欲しいものである。
自分が読んだことのある本が、マスコミで大きく取り上げられ、その一節を捉えてあれこれとコメントしていた人が、(おそらく)明らかな誤読をしている、ということに気づいてからというもの、それまでも敏感だった「情報」に関し、さらに敏感になったような気がする。
誰が、何のために堀江氏を追い詰めようとしているのか。
今後の報道にも注目、か?


おすすめ度:★★★★☆