2020年3月28日土曜日

松下啓一『図解 地方自治はやわかり』学陽書房、2010年。

・職場で参加した研修で、最優秀賞をいただく機会に恵まれ、そのご褒美としていただいた書籍。
・率直に、少し古い書籍なので制度面で古い記述はある。
・上記は参考に留めるとして、地方自治における基礎からトピックまで70のテーマを、各見開き2ページで説明している。様々な自治体資料を用いて、図表が充実しており、制度を説明する時の参考にもなる。
・著者の記述とは関係ないが、資料について。引用に行政資料が多いことから、改めて行政資料が一般読者向けにはなっていないと思う。正確な記述は重要なのだけれども、行政資料って対行政向けのもが多いなと感じることがある。おそらく企画段階の「正確な」イメージ図がそのまま説明資料として使われることによって起こる現象かと思われる。
・首長、議会、公務員の関係については、身近なことでありながら、その本質に触れることが少ないので、地方分権の流れのトピックと併せて知ることができる。
・こういう内容って、業務遂行そのものに大きな影響はないのだけれども、時折訪れる「頭に汗をかく作業」をするときには、前例に必要以上に引かれず「理性で判断」するための原点や錨のような役割になるのだと思う。課職員である前に地方公務員であり、地方公務員であるまえに一市民、一国民である、ということを改めて意識させられる一冊であった。
・地方自治法を読み解く入門書になりうる内容だと思う。