2023年5月13日土曜日

吉武輝子、貴島操子、樋口恵子『こうすれば女子社員を戦力化できる』実務教育出版、1970年。

  図書館リサイクルシリーズ(初!)。このタイトルに打ち抜かれた。すでに絶版だろうし、半世紀前の書籍です。当時の常識と、それを当時の感覚で突き抜ける様々な事例や取り組みが語られていた。著者の3人はおそらくこの時代を生き抜いてきた女性たちなのだろうと察する。

 職場の花、男子よりも学がない、良家の子女かつコネがなければ入社できない、女性社員が配属されると男子がやる気になる、男性と同じ仕事はさせられない、男性と比して仕事の質が低い、などなど、現在(2023年)ではとても考えられないような「常識」の数々に驚かされる。図書館の職員さんも、なぜこの書籍をリサイクルに出したのだろうか、と疑ってしまいそうになる一冊。産業界の歴史の勉強だと思って、パラパラと流し読みをしてみました。この部分は、なんというか、ちょっと、面白さすら感じました。

 という書籍の中でも、純粋に学び取れたことは、モチベーション管理や、信頼感、行動で語ることができる姿勢、といったことは、半世紀も前から語られているということ、それも「当たり前」のこととして、今では仕事の効率化、職場定着の文脈で、50年前は女性社員が仕事に前向きに取り組めるようにするための方法として語られているということは、素直に学び取りました。今ではツールも方法も異なるけれども、きっと仕事(とかあらゆる活動)の根底に流れる意思とか向き合い方、人を人として認めることといった、普遍的とも言える人間関係って、きっと今までもそしてこれからも大切なことなのだろうと思いました。