2024年1月1日月曜日

2023年総括、2024年の抱負

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 昨年はコロナ禍から緩和ムードが見えてきた頃でした。自分の生活は、というと地方公務員になってから初めての異動で、これまでとは全く違う分野の質の違う仕事に、一つ昇格した形で配置されたことでその適応に四苦八苦していました。その中で、以下の目標を立てていました。

1 読書の継続 30冊+Audiobook30冊分+αで音声コンテンツ

2 10分体操+素振り15,000本

3 30分程度を目安にした勉強習慣をつくる(習慣化)

4 仕事のスキルを向上する

5 心穏やかに過ごす


 1の成果は、書籍は15冊+ちょっと、Audiobookは27冊分。音声コンテンツは、昨年と同様にVoicyでは「話し方のハナシ」(高山ゆかりさん)、「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」(深井龍之介さん他)、コテンラジオはクルーに登録しました。他は、ラジオドラマや落語に関する番組を聴くようになりました。耳学中心にインプットの質は良くなっているような気がします。質的には充実している実感はあります。それでも読書冊数が減ってしまったのは、単純に時間外勤務時間が跳ね上がったことによる、読書時間の確保が難しくなったことがあげられます。仕事のことは4あたりで。

 2は、継続できています。朝はラジオ体操第一と700歩弱のウォーキング、素振りがほぼ毎日できました。素振りは20,500本程度までいきました。週末はジョギング+ウォーキング、iPhoneのヘルスケアによると、雑ですが一日平均9,900歩程度になりました。ぶらさがりは週末だけになってきてしまいましたが、無理のない運動は継続できています。身体を動かすことで2023年の一番の成果は、合気道を再開したことです。6月には3級昇級し、帯の色が茶色になりました。ますます面白い合気道です。昨年気になった易疲労は、それほど気にならなくなったのだけれども、とはいえ、慢性的な寝不足で、不調が続いているのも事実。頭皮の腫れ物とか、仕事中の寝落ちとか、具体的な事象があるので、回復に努めたい。

 3は、1の書籍冊数の減少、4の仕事の状況と連動しますが、やっぱり単純に時間がとれなかった。法知識は広げておきたいですが、残念ながらほどんど手がついていません。

 4は、今年はこのことに翻弄された一年でした。仕事のスキルは上がっていると思いますが、横展開に終始したというか、2年目の理解(業務と法制度とのリンク)がほとんどできなかったのが残念なところ。ただ、所属課の状況(同格職員の戦線離脱と、所属係の職員退職)に伴い、2つのグループの統括を掛け持ちするという変速シフトに志願せざるを得ない状況だったこともあり、その体制が結局1年続きそうな情勢であることから、去年の1.7倍くらいの仕事量になっており、時間・体力ともに削られた一年でした。時間外勤務は年末までで400時間/年超でやばい状況です。500時間を超えないように調整したい。

 5は、相変わらず不愉快を感じることは多いのだけれども、去年よりはうまく流せるようになってきているかな。まだまだのところもありつつ、人を嫌ってしまうことを是としているようなところもあるので、言動のバランスは注意しないといけないと思う。

 この他、チャレンジしてみたことは、半日サボりとか、勝手にぶらり途中下車の旅みたいなことを積極的にやってみたり。2月のスーパーボウルは毎年のことですが、10月末のVoicyフェスは結構参加できたよね。川越一人旅はなかなかチャレンジングでしたが、結構おもしろかったです。川越制覇しつつ、他の街にも挑戦してみたい。こんな頭の緩め方、はもう少し頻度を上げてやってみても面白いな、と思います。家族では、奥武蔵の休暇村へ行けたかな。夏は家族でコロナになっていろいろできなかったけど、それでも秩父と熊谷には行けたよね。


 いろいろ振り返ってみて、今年もいろいろありました。それを踏まえて、2024年の抱負・目標は、昨年とは大きく変えず、以下の通りかな。

1 読書の継続 30冊+Audiobook30冊分+αで音声コンテンツ

 これは継続しよう。読書が30冊超えになるように時間を捻出すること。あとは、読んだ本を整理して、一年かけて自宅の机周りがきれいになるようにすること。

2 10分体操+素振り15,000本+週末ジョギング、合気道昇級

 継続。合気道で黒帯目指したいから、その基礎体力は習慣化の中でつけていくことにしたい。通勤は徒歩で、10,000歩/日を目指す。今年は1級まで昇級したい。

3 30分程度を目安にした勉強習慣をつくる(習慣化)

 今年こそ。時間を捻出して、場所・内容を問わず読書でも勉強でも、何とか習慣化すること。少しでも法律知識を磨けるように。昇任試験もそろそろ意識しないとね。

4 仕事のスキルを向上する

 法制度と業務との接点を作る。いろいろ身につけたいけれども、まずは今の職場で求められる法制度と業務との接点を可視化すること。

5 心穏やかに過ごす

 数年越しの目標になりそうです。他人のあらは指摘してしまうのだけれども、じゃあ自分はどうなんだ?と常にメタ認知が働くように、感覚を磨くと共に、様々な学びを通じて、人との接し方について、あらゆる対人技能の習熟を通じて磨いていきたい。

 で、これらの目標を、少なくとも4月、9月には見直して、必要な軌道修正を測っていくことをやっていこうと思います。まずは3月まではサバイブすること。駆け抜けるぞ。

 以上、2023年のふりかえりと2024年のとりあえずの目標でした。2024年もどうぞよろしくお願いします。なお、お気づきの方がおられるかもしれませんが、年賀状による新年の挨拶については、諸事情により年々縮小しています。いただいた年賀状に年賀状でお返しできていない方が出てきてしまっていますが、あらかじめご了承ください。

2023年12月31日日曜日

身体の栄養と頭の栄養 231225

  前回のアップで、身体にガタがきているという話を書いたが、休むことといいものを与えることって、一緒にしてしまいがちで実は異なることと実感する。

 Iyokiyehaの場合、仮に休日に身体を一日休めていたとしても、自宅ではいろいろ気になって(大体は何か言われる)、外出しても時間が気になったりして、どうにも気が休まらない。おまけにトレーニングのない一日は、何よりも身体がなまってしまい、そのこと自体に自分がストレスを感じてしまう。

 もちろん、いつも通りの生活に、ちょっと身体にいいものを食べたり飲んだりすることは、自分にとっては心地のいいものだけれども、どうにも私の家族の嗜好とは合わないことが多く、習慣化しにくい。

 何かいいやり方はないか、気軽にできるいい方法ってないかとずっと考えていて、今年はようやく何かしっくりした感じがした。春先にはマメに頻繁に短時間、夏場に数回やってみて、冬になってそれができないことに不満を感じてようやくまとまった。大切なのは、

・雑事に追われないこと

・とりあえず、やるべきことがないこと

・時間に追われないこと

・できればいい環境に身を置くこと(ちょっと観光なんかできたら、最高である)

こうしたことが充たされた時に、インプットの質が変わり、頭も身体もうんと軽くなる感じがある。これは「休む」というよりも、どちらかといえば「リフレッシュ」。能動的に頭の中を掃除しつつ、きれいな・いいものを取り入れている状態といえる。その意味では、休息というよりも栄養を与えることといえる。普段の雑事と時間に追われる消耗感がなく、歩き回れればそれなりに運動量も出てくるし、そこにおいしいご飯や飲み物、スイーツなんかあったら、人はそれだけで結構満足できるんだなと思えたのは、大変新鮮な気づきだったと思う。

 心に余裕が欲しい時、あるいは心に余裕ができたときには、ときどきこういうことをしてみたらいいと、自分に対してそんなことを思う。

合気道 自由技編 231225

  6月の審査で3級に昇級して、茶帯になった。とはいえ、道場の一般部で末席なのは変わらず、それはそれで毎回いい経験とお稽古をさせてもらっている。秋口頃から、休憩時間に受け身のお稽古をやってもらっていて、ようやく飛躍受け身もだいぶ怖くなくなってきた。まだまだ形を整える余地だらけだけど、痛くなくなってきたのでお稽古にチャレンジできる、というのは自分の中での一つの成長といえるだろう。

 以前習っていた昭道館の合気道では、乱取りが当たり前だったので、技のお稽古も割と実践的な動作・流れの中で行うものが多かったのに対し、今習っている錬身会では、型をひたすら重ねていくというお稽古。双方かじっている身としては、初めはどちらにも疑問があったのだけれども、最近になってそれが「ただ、入り口が違うだけ」と考えられるようになってきた。前述した受け身ドリルの中で、自由技をやり始めるようになったから、それが多分間違っていないんだろうなと感じるまでに至った。

 型稽古のよくある質問に「実践的じゃないのではないか?」というものがある。こどもたちがそう感じるのも無理はない。ただ、お稽古を重ねて、錬身会でいえば自由技をやるようになると、これがとても実践的な取り組みとその準備、さらにその研究、ということがわかってくる。そしてその練習を成立・充実させるための受け身の技術、とすれば、型稽古がどれだけ体系的に体術を学ぶことのできるプログラムであるか、ということがイメージできるようになる。連続技になると、技の型を一部崩して、流れを止めない、動きの中で対応し続けることが求められる。そうなると理想的に受けられたときに詰めて詰めて詰めて詰めて抑える、ということではなくて、投げて次、投げて次、大勢いても、投げてかわして投げてかわして、が繰り返される。ここにきて、大変実践的なものであることに気づく。このことに気づくと、連続技をやらなくても、いつもの技の稽古が連続技につながっていることを実感できるし、連続技は型稽古の基盤がないと全く技がかからないことだってありうる。

 錬身会でお稽古を初めて、薄々感じていたことではあるのだけれども、コロナ後、今年の初めに稽古を再会して、最近になって蓋が一気にはじけ飛んだ感じがしている。ますます面白くなってきた。

2023年12月10日日曜日

Blogを更新しました

 pomeraに書きためていたものを一気に公開しました。いろいろ理由はありますが、自宅でパソコンに向かって作業する時間が、ずーっととれなかった、というのが主な理由。ちょっと忙しすぎるんです。最近。慢性寝不足で、身体によくない生活になっています。

とはいえ、毎日のトレーニング、週末のトレーニング、合気道は継続できており、疲労感はあれど、充実しているところもあるかな、というのが最近の様子。仕事は、まぁ、今年度は何とか倒れないように駆け抜けようと思っています。低空飛行でいい。それが多分、今の組織への御礼になると思う。実績とか評価なんかもう興味なし。

生活における仕事の比率が調整されるようであれば、読書に充てたい。鈍な性格な中で判断をしていくには、直感で浮かび上がってきたことを鵜呑みにせずに、もう一回客観視をする必要がある。そのためには、やっぱり良質なインプットが欠かせない。TwitterがXになったり、フェイクニュースや画像や動画の調整が簡単に利くようになっている現在において、その中でも信頼できる情報というのは、ある程度人の目と手が加わったもの、編集やキュレートが加わったものを取り入れていくことが有益であるといえる。速報で動く必要があるならそれを追うのも考え方だけど、仕事も日常生活も、信頼がキーになるというならば、自分にインプットするものも、ある程度の信頼感があるものを、と思う。


Audiobookまとめ(2023年下期)

 ●矢内東紀『Chat GPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』実業之日本社、Audiobook版。

●瀧本哲史『戦略がすべて』新潮社、Audiobook版。

●養老孟司、山極寿一『虫とゴリラ』毎日新聞出版、Audiobook版。

●本郷和人、和田ラヂヲ、横山了一、滝乃みわこ『東大教授がおしえる やばい日本史』ダイヤモンド社、Audiobook版。

●小泉悠『ロシア点描 -まちかどからみるプーチン帝国の素顔』PHP研究所、Audiobook版(原本は2022年出版)。

●谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない4 -前代未聞の事態に揺らぐ価値観』ワニブックス、Audiobook版(原本は、2022年出版)。


立川談慶『ビジネスエリートがなぜか身につけている教養としての落語』サンマーク出版、Audiobook版。

  落語は、肩肘張らず楽しんでいい芸能ということが分かる、落語の超基礎文献。落語が聞きたくなるエピソード、基礎知識が詰め込まれた一冊でした。ビジネスエリートかどうかは別として、言葉遊びを楽しむ、教養として身につける、ということも悪くないのだけれども、それをおいておいて、芸能を極めようとしている人、名人・達人の言葉遊び、人情話、教訓話なんかを、おもしろおかしく楽しめる、そんな話が落語だというところを感じ取ることができました。もっと気楽に、もっと楽しく、それでいてためになる、そんな落語。もっと気軽に聞いてみようっと。

オードリー・タン、プレジデント書籍編集チーム『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』プレジデント社、Audiobook版。

  台湾のコロナ対策を、デジタルの観点から率いたオードリー・タンによる著書。インタビューがベースになっているのか、コロナ対策を中心に、台湾の政策やそれに取り組むタン氏の生い立ち、考えかた、ITの位置づけと活かし方を縦横無尽に語る一冊。未来予想の様相もあり、大変感銘を受けた。Kindle版へ移行。

鴻上尚史『青空に飛ぶ』講談社文庫、2019年。

  以前にAudiobook版を紹介した『不死身の特攻兵』のノベライズ版。太平洋戦争末期に、陸軍特別攻撃隊として九回出撃して生還した佐々木友次氏の生き様に触れた中学生荻原友人が、自分の生き方を見いだしていくもの。

 佐々木友次氏の経緯については、先に取り上げた『不死身の特攻兵』に詳しく、その概要版と言える。とはいえ、戦時中の日本軍の言動と、その命令に屈することなく「体当たりするくらいなら、爆弾を投下して帰還する方がいいに決まっている」と、自明の考えを曲げず、時にはしたたかに、とはいえ高いプライドを持ち続けて、9回生還した。この佐々木氏の人生については(仮に多少の誇張や誤解があったとしても)文句なしに面白い。思わず拝んでしまいたくなるほどの迫力と、感動があった。

 一方の荻原友人の物語は、いじめの描写が生々しく、実際に人を苦しませるいじめというのはこういう八方塞がりになっていくものなのだろうなと、気持ち悪くなるくらいであった。気づかない両親や教員、エスカレートするいじめ、クラスでは傍観者でもSNSでは気流に飲まれていじめてくるその他大勢のクラスメート、そして事実を告げられない閉塞感。他の読み物では、助けてくれる大人や友人がいて、救い出してくれたり、反撃をしたりしそうなものだが、(以下、一言ネタバレ)結果「逃避」というのが、また生々しい。実際には反撃なんかできないケースだってたくさんあるんだろうから、現実起点の物語として、この結びはちょうどいい感じだと思った。


■以下引用

96 身はたとへ南の海に散りぬとも とどめおかまし大和だましひ (中略)

  家をすて妻を忘れて国のため つくしたまへとただ祈るなり

238 いろいろ言われますが、船を沈めりゃ文句ないでしょう

250 日本人らしくないからだ。そうだ。そうなんだ。友次さんは、ぼくのイメージする日本人と違っていた。ぼくの知っている日本人は、大きなものに従って、じっと黙っている人達だ。

275 「強くはないさ。私は自分の寿命を生きただけさ」

 友次さんはきっぱりと言った。

 「寿命を決めるのは仏様。寿命がある間は逃げるわけにはいかないっしょ。自分で寿命を終わらせたらだめだべさ。寿命は自分できめるもんじゃないっしょ」

329 君が一人生き残ったのは、君が何かをしなければならんことがあるのです。フィリピンでがんばり抜いたように、これからも生き抜いてください。それが、君に死ぬなと言った、益臣(岩本大尉)の願いに沿うことじゃないですか

内藤誼人『世界最先端の研究が教える すごい心理学』総合法令出版、Audiobook版。

  心理学の教科書には載っていない、最新の心理学の知見を紹介する一冊。心理学って二人称の本当にちょっとした言動を切り取って調査することに驚かされる一方で、一見何の役に立つのかわからないようなことを一生懸命に調査研究をしているのだと思える。

 人と関わる時に、自分の思考が言動を通じて、相手に伝わっていく。自分としては、如何に「伝わるように伝えるか」を考え抜くのだけれども、受け止める相手としては、その内容よりも全体的なイメージと連動して受け止め方が変わってくる。男性は顔で判断されて、女性は全体的なイメージで判断されるらしい。もう少し進めると、論文の評価は著者の顔写真で変わってしまうこともあったようだ。

 こういう人の本質(?)に迫る言動を突き詰めていくと、人は「わかっていてもやめられない」とか「わかっているのに選ばない」など、非常に非合理的な行動をとる生き物だということを感じずにはいられない。

橋爪大三郎、大澤真幸『ふしぎなキリスト教』講談社、Audiobook版。

  日本を代表する二人の社会学者が徹底対論、というキャッチコピーで紹介されていたもの。購入当時、思想や宗教、歴史的な読み物を欲していたのだろうな。先に紹介した社会学史といい、聖書の小説版といい、そういったものが続いている。

 ただただ知識を身につけたい、というよりも、歴史的・社会的文脈で何かを把握しようとするときの姿勢を身につけておきたい、という必要から、こういった教養書を欲していた(いる)ように思えるこの頃である。法制度、イベントというのは、その歴史的・社会的文脈のある意味必然によって生成する、ということを考えるようになった。だからといって、何事かを予測したいというのではなく、Iyokiyehaとしては、物事の本質をつかみたい、というだけのこと。今回はキリスト教。

丸山正樹『デフ・ヴォイス -法廷の手話通訳士』文藝文庫、2015年(初出:文藝春秋、2011年)。

  CODA(Children of Deaf Adults)で元警察事務職員の尚人が、手話通訳士として殺人事件に巻き込まれていく小説。久々に小説を読んだことに加え、すっかり「この」世界に没頭した。小説の一気読みなんて、何年ぶりだろう。フィクションでありながらも、それほど明るい話題ではないのだが、落ち着いてじわじわとやってくる迫力と、随所にちりばめられたいわゆる「文化摩擦」とその架け橋となる手話という言語に、改めて意識を向けさせられました。ミステリの要素がいいスパイスになっており、一気に読ませる一冊でした。

■以下引用

97 幼いころから嫌というほど「家族と世間」との間の「通訳」をしてきたのだった。

123 彼ら(デフ・コミュニティを言語的少数者、文化的集団と捉える運動を起こしたアメリカのろう者たち)は、自分たちの集団を「耳が聴こえない」ことによってではなく、言語(手話)と文化を共有することによって成り立つ社会とした。その際、英語で耳の聴こえない人のことを表現するdeafという単語の頭文字を大文字にし、Deafという言葉を、新たに彼らのコミュニティのメンバーを指すものとした。

158 デフ・ヴォイス。生まれついてのろう者は、人前で滅多に「声」を出すことはしない。しかし、家庭内ではその限りではなかった。特に、「聴こえる」子どもを離れたところから呼んだりする場合などには。

川島隆太『子どもの脳によいこと大全』プレジデント社、2023年。

  脳トレ川島先生のコンビニムック。なぜかAmazonでは取り扱っていなかった。職場で専門職に勧められて一読。

 子どもの脳の発達について、何がいいとか悪いとかいろいろ言われているけれども、何がいい、何が悪いというよりも、「何が求められているのか」(目的)によって、少し変わってくるのかな、と思いました。スマホは集中力を乱すし、無目的にテレビを観るよりも、外に出ていろんな物に触れて聞いて感じることって脳の柔軟性を養うのに都合がいいのは分かるんだけど、でもそれって誰が誰に求めているのかな、という疑問が生じたわけです。

 人とコミュニケーションをとること、創造性の中でごっこ遊びをすること、スマホやテレビはけじめをもって、集中すべき時間帯には余計な刺激を入れないことなど、どこかで聞いたことのある説を、調査によって説明した上で、時間を決めること、バーチャルに浸かりきらないこと、五感を刺激することなどの有用性を説く一冊です。説得力はあるし、なるほど自分でも試してみようかなという内容ばかりで、一般向けに書かれているので、大変読みやすい本でした。多くの人に勧めたい本です。

 さきほどの疑問について。こういう内容の本だからこそ、「私にとって都合のいい」内容かもしれない、と思ったわけです。世の中はIT技術、Webを介した世の中の仕組みが目の前に広がっていて、トレンドは生成AIをどう使うか、なんてことが雑誌で特集されているわけです。このBlogなんか、立ち位置を変えたら時代錯誤もいいところで、こんな古くさい方法で、個人的な読書感想文なんて、誰の何の役にも立たないよ、とする見え方もあるでしょう。私は必ずしもそうは思っていないわけですが。

 とはいえ、このBlogの対極にいるような立場の人に、本書の内容ってどう響くのかな、と疑問に思ったことは書き留めておこうと思いました。

大崎梢『配達あかずきん -成風堂書店事件メモ』東京創元社。Audiobook版。

  ミステリに分類されるのかな。8月の聴き放題に入っていた1冊。成風堂書店に勤務する従業員と(主に)お客さんとのやりとりのなかに、ちょっとした謎解き要素がある。ミステリというカテゴリーの小説って敢えて選んで読むことはなかったのですが、ここのところAudiobookで興味深いものにいくつか当たっているので、改めて「楽しむ」読書ってしてみようかな、と思えるきっかけになりました。

ジョージ・ルーカス原案、槐多康彦著『赤い情熱 ヤング・インディ・ジョーンズ14』文藝春秋、1993年。

  20年以上ぶりに再読したシリーズ最終刊。ロシア革命に巻き込まれていくインディの活躍を描く。この話のモチーフになっているロシア革命って、教科書ではよくわからないし、専門書なんか読んだって言葉がそもそも分からない、そもそもといえば現在のウクライナ侵攻にも言えることだけどロシアの思考とか雰囲気って知っているようで知らないよね、ということに嫌でも直面させられる。そんな知識が前提だから、結局のところインディがどの立場でどう立ち回ったかということは、わかったようでよくわからない、というのが読了した印象だったりする。

 革命前夜に、急進的な活動を進める若者達と交流ができる。諜報部隊として彼らと関わるインディは情報収集の目的で深入りしていくのだかれども、友情や愛情が芽生えるほど情が移っていく。そんな中でインテリジェンスとして得た情報とは反発する活動を煽動していく若者達との間で、一瞬の不和、そして起こる悲劇。そんなフィクションを時代を行き来しながら語るジョージ・ルーカスの手腕に、改めて脱帽する。時代背景がもう少しイメージできるともっと面白いのかもしれないが、そうでなくても小説として成り立っているのが、また興味深い。30年越しの楽しい読書でした。

 このシリーズ、歴史感覚に自信がついたら、もう一度読んでみようっと。

開米瑞浩『60分でわかる!暗号資産 超入門』技術評論社、2022年。

  分かったようでわからない「暗号資産」。これでよくわからないとなると、何を読めばいいのかな~。