2024年2月10日土曜日

要求の矛先

  今の職場のこの時期は、いろんな問い合わせが殺到する時期。お問い合わせなら上品に聞こえ、要求となると広義のクレームカテゴリーに入ってくる。申請が希望通りにならないのだから、不満前提の対応になるのだけれども、ここで言うことが「動かせること」と「動かせないこと」に分かれてくる。前者は折り合いをつけられるが、後者は言ってもムダであって、時間の浪費と同格になる。対応としても、質問レベルならどちらも丁寧に扱うが、そうでない場合には、前者は丁寧に、後者は塩対応になりがちである。「訴えるぞ」とか「名前覚えたよ」とか言われることもしばしば。なんだかなぁ、と思う。

 そもそも、分からないことを質問して、分かった上で希望を要求する、というのが申請の仕組みである。それを適切に受理して、適切に処理して、適切に結果が出る。この一部にでも当方にミステイクがあるのならば、それは謝罪してすぐにやり直すか、救済措置を考えるかの判断になる。でも当方にミステイクがないのならば、それはどんなに強い口調で、どんなに法的知識があったとしても、どんなに面倒な手続きを踏ませたとて、結論を覆すわけにはいかない。他の申請者との整合性がつかないことはやるべきではない。

 加えて、「上を出せ」的な問い合わせに対して、対応を変わったところで、「どうにもできないこと」カテゴリーの場合には、どんなに泣きつかれたとしても、できないものはできないのである。先日、その人が所属する会社の決定判断に、ウチの書類が必要だから、締め切りと手続きの終わっているものの申請書を出したいとのこと。受理できない。受理できない以上、書類作成もできない。こちらが正規の手続きを曲げる必要はないし、それによってできない証明を出すこともできない。「そんなこともできないんですか?」「助けてくれるところなんじゃないですか」とか散々言われましたが、これは矛先が違う話であって、譲歩は決定を下すところに行うのが筋ではないですか?という対応をせざるをえなかった。会社が必要だというから、会社の決定に使うから。それをなぜウチがルールをねじまげなきゃいけないんですか?それは決定権者が譲歩するべきであって、こちらが譲歩することはない。そんな押し問答を1時間くらい。矛先が自分に向いていない出来事に巻き込まれてほぼ1時間。こうなると、時間の無駄である。

 強い口調で言われると、つい、焦って「何とかしなきゃ」と思ってしまいがちだけど、実際には「何もしなくていい」選択肢があるってことを知っておいた方がいい。