2009年4月26日日曜日

チームが機能する要件

2009年4月20日作成

昨日作成した「考えを『伝わるように』表現することと、人の話を『わかろうと』すること」に関連して。
そういえば、前の職場では、組織としての成功・失敗はともかく、いい意味で実のあるチームで事にあたることができていたなぁと感じる。
いろんな理由があるように思うので、ブレストを兼ねて、その要件を列挙してみる。

1.各々が自立した思考をしながら、「目的」とか「理念」でつながっている
 所属組織の構成により、一人一人に課せられる役割は異なるし、たとえ同じ役割を任せられていても、その経験や経歴は違うわけで、思考の癖や得意技はそれぞれ異なっている。異なる能力や思考、技を束ねるのは、指針というか動く「目的」であって、規則という「縛り」ではない。

2.目的遂行に関する、細部の決定・実行の権限は各々に委ねられる
 1.と関連するものだが、チームのリーダーは逐一細かい指示を出す必要なく、チームの構成員を信頼し、細部の決定はコンセプトキープのみ実施し、方法や内容は委ねられる関係が理想である。

3.目の前の課題解決に、その土地の課題への取組みが透けて見える
 職場の業務を遂行することを、狭義の目的遂行とすると、それを通じてその地域の課題がより明確になったり、一つでもその課題に取り組んだりという、より広い視野が広がってくることは広義の目的遂行といえる。広い視点から目の前の課題が見えることによって、その業務のゴールに微妙な変化が生じてくる。

4.より高度な判断をするための学習は、自主・自学が原則
 気になることは、自ら課題を設定し、自ら学び、調べ上げることによって解消していくことが、あらかじめ組み込まれていること。研修の機会を活用することも、意思ある人と集団を作ることも、人に聞くこともすべて含まれる。重要なのは、どんな機会であっても学ぶ意思が内発的な動機によるものであること。

5.常に仮説をもって行動する
 結論を急ぐことは、時間的制約のある仕事では特に問題とはならない。問題となるのは、必要な情報がない段階で安易な結論を求めてしまうこと。具体的な事例に対して「私は、このことをよく知っている」とは決して言えないだろうし、教科書的な学習は、一般的な傾向をつかんだ上で、具体的事例をよりよく理解する手助けになったとしても、教科書の内容をそのまま具体的事例に反映させてしまうことには、私は怖さを覚えるし、このことを含めて「思考停止」であると考える。

あらためて、列挙してみると、
・明確な目的設定とその共有
・目的に基づく自立した思考と行動
・視野の範囲を切り替えられること
チームを構成する要素を、自分なりに書き出してみたが、結局は「チーム」に関するビジネス書で論じられている内容と重なってくるものだと実感。
その「土地の課題」への視野という点が、市民活動をやってきた私にとってのオリジナリティかと思われる(多くは「思考のレベル」や「平行思考」「垂直思考」等という角度から、視野について論じられる)。

東京で働くにあたり、今までIyokiyehaが培ってきた上記要件が適応できるのか、それとも全く新しいものに生まれ変わるのか、新しい項目が追加になるのか、現時点では全くわからない。
ただし、とにかく業務量が多く、原理・原則にとらわれない柔軟な業務、土地に暮らす人が少ない、人の入れ替わりが多い、といった職場環境の中で、Iyokiyehaもさらに進化していかなければならない、ということだけは、ひしひしと感じているところである。