2023年7月1日土曜日

齋藤孝『1冊読み切る読書術』ダイヤモンド社、2019年。(Audiobook版2020年。)

  いろんな形の「読み切り」がある。割り切り、というといろんな意味が入り込んでしまうが、その本から自分の役に立つことを選びとる、という発想の転換が、読書の質を高めることに気づかせてくれる。こういう読書もありなのだな、と自分のデスクに積んである本を観て思うところである。図書館で借りてきた本とか、まずはこういうことでいいのだな、と思った。

 Iyokiyehaはいろんな情報源を取り入れつつ(Audiobook含め、特に音声コンテンツ)も、やはりアカデミズムなところがあるので、このご時世に読書の有用性を説き続ける齋藤氏の姿勢には共感する。

 毎日数冊に目を通しているらしい著者には到底追いつかないまでも、仕事に家事に追われる中で、少しずつでも読書の時間は確保したいと思っています。そんな人にはたくさんのヒントが詰まった1冊です。「全部読み切らなくてもいい」「要所をつかめば充分」「抜き書き」「アウトプットの効用」など、要は「本の内容を覚えておく」のではなく「本から学ぶ」ことの技術を様々な角度から紹介しています。一つでも取り入れられれば、読書ライフがより効果的なものになる知恵袋のような1冊でした。