2015年8月13日木曜日

静岡行き 8月4日

「バカンス」とはフランス語で休暇を意味する言葉です。vacancesと綴りますが、(おそらく)語源としては「空っぽ、空き、茫然」といった「空いている」ことを意味するようです(英語ではvacancyという単語がある)。

さて、先週から今週の始めにかけてお休みをいただいていたのですが、その間のことを少し書き留めていきます。毎年夏休みや冬休みをとるようにしていますが、今年は特に業務のことを全く考えずに過ごすことができた一週間でした。そのために感じることもあったので、そうしたことが浮き彫りになるといいなと期待しています。

8月4日
とても暑い日でした。昼頃に静岡に着いて、昔の職場の近所にあった喫茶店へ。座席の代わりにハンモックがあってそれに揺られながらぼんやりできるお店です。軽い昼食をとり、母校へ。
学生時代に環境活動に参加していた頃に勉強会の講師を依頼したことのある稲垣先生という方が、農学部の教員として籍をおいているということで、事前に連絡をとって訪問してきました。雑草の専門家で普段は藤枝に勤務しています。私がお世話になった当時は公務員だったと記憶していますが、昨年近著が書評雑誌に掲載されたことや、ラジオ番組にゲストで出演されていたことで近況を知ったという経緯です。先生の近著はこちら→ 
稲垣先生訪問の前後には指導教官のところへ。ここ数年はほぼ毎年静岡に行くようにしているのですが、今月末に学会発表をする予定であることもあって、前半戦はまじめなスーパーバイズ、後半戦は居酒屋にて一献です。
訪問した二人に言えることは、本当の専門家に共通する「専門領域以外のことでも話題を広げて質問できる力がある」ということでした。世の中を見つめる視点がある人にはどんな分野のことであっても、自分の専門領域に引きつけつつ話題を広げられるのだということを改めて目の当たりにしました。
居酒屋仁は、10年前とほとんど変わらないまま営業していました。平日だったこともあり他のお客さんは1人だけで、いつもと変わらず一杯飲んでいい気分になったお母さんの罵声が飛び交う面白いお店でした。

大学に行くと、当時は斜に構えて世の中に矛先を向けていた自分の若さと鋭さみたいなものを思い出します。ただ、10年経った今では原点を感じ取ることができる場にもなっているような気もして、普段甘さがでている自分の弱さみたいなものも改めて感じられ、新鮮な気分になります。今は職業リハビリテーション分野で仕事していますが、普段は業務に忙殺されて忘れてしまうこともある「共生社会の実現」という理念を思い出しました。