2010年4月4日日曜日

太宰治『人間失格』オーディオブック(Web:wis氏)

このブログも、600本目の投稿になりました。
いつも、ごらんになってくださるみなさま、ありがとうございます。



wis氏作成のオーディオブックにて、名作を聴ききる。
(Web:【朗読】声を便りに、声を頼りに。)
 
一度聴いた後に、速読訓練のテキストとして利用しています。
(iPhoneアプリ「Sokudoku」と「i文庫」を利用)
 
方法はさておき・・・
 
 
読み継がれる名著というものは、多くの人の共感や、多くの人が想定する感情の枠を超えた内容が含まれるものだと思っているが、本著はどちらかというとこの前者にあたるのだろう。
人の弱さや、快楽へ堕ちていく気持ちよさのようなもの、思考遊戯など、どれも少なくともIyokiyehaには存在する感情のうち、普段は気にも留めていないものであるような気がして、読んで(聞いて)いる間、なんとなく落ち着かない気分にさせられた。
しかし、一気に聴いてしまった。まるで、漫画を全巻一気読みするような感覚だった。
 
葉蔵は、今では精神科医療の対象になるのだろう。
ただ、単純に統合失調症かというと、そうでもないし、人格障害というとそれもまた違うように読めてしまう。
きっと何らかの診断名はつくのだろうが、そのどれもが違和感をもってしまうのは、おそらく先にも書いたように「(たぶん)誰にでもある感情が表出した」ことが赤裸々に表現されているからだろう。
 
普段、Iyokiyehaは、自分の中にあっても目隠ししていたような感情を、外在化して表現しているような作品だった。
解説本とか読まないし、ほかの人がどう解釈するかわからないけれども、私にしてみれば十分な「名著」でした。
 
 
おすすめ度:なし(にしておきます。あまりに有名な小説ですので)