2021年6月20日日曜日

真面目にやればやるほど…

  仕事の量と質によって感じるストレスが異なるというのは、想像に難くない。

 例えば、仕事量が多ければ多いほど、終わらないことに対する疲れと終わりの見えない(目途が立たない)ことへの不安、それらの相乗効果による悪いことが起こるような予感が、螺旋を描くように絡み合って増大していく。

 一方、仕事の質が悪ければ無意味な感覚が、上記の相乗効果に拍車をかける。質の点でもう一つ気を付けないといけないのは、そこそこ質のいい、本質に迫る仕事ができている場合に、悪循環をいい意味で覆い隠して突破できることがあるということだ。これは、心理学用語で何トカって言ったような気はするが、「前向きに乗り越える」という表現が当てはまる状態であれば、人間は結構なところまでがんばることができる。

 それを期待しすぎるのもどうかと思うが、ここで注意しないといけないのは、「まともな仕事を前向きに丁寧に取り組めば取り組むほど仕事が増える」というシンプルな法則である。そして、これは「仕事の絶対量」によって、まともな仕事の結果が充実感になるか、徒労感になるかが、かなりの部分まで決まってしまう。要するに、仕事の全体量がある一定水準以上になっている場合は、どんなにいい仕事をしても、そこから得らえる(小さな)充実感が、仕事の残量が発する圧倒的な徒労感に覆い隠されてしまう、ということだ。

 この事実に気づけるか、あるいは見えるかどうかが、自分のしんどさに気づいたり、周囲のしんどさに気づけたりする要点になるのだと思う。「仕事を削る」発想がないと、現代人はつぶれるか、やさぐれてしまうような気がしてならない。まずは自分を守らねば。