2019年8月16日金曜日

松村卓『ゆるめる力 骨ストレッチ』文藝春秋、2015年。

・スポーツトレーナーとして活躍する著者が、「骨」にこだわって考案したストレッチを紹介する一冊。筋肉ではなく骨の動きと、それらのつながりに着目し、身体の広範囲を「ゆるめ」、心地よい動作を提案している。
・甲野善紀氏の著者等で、筋肉ではなく骨を意識することで得られる動作感覚について、学び、意識してきたことはあったが、具体的なストレッチ(ほぐし方、ゆるめ方)を丁寧に解説しているものは初めて。
・やってみると、確かにいつもと違う感覚はある。これまでと違うリラクゼーションの方法だと思われる。確かに「心地よい」という表現が合う。
・後半の「体をゆるめる=心をゆるめる」のくだりは、実感レベルでは同意できるのだけれども、気持ちや心のもちようにとどまっているため、体のしくみからリラクゼーション効果が導かれると、もっと有用と思えることができるだろう。

(以下引用)
40 バラバラではなく、すべてつながっているのです。(略)体のコリや痛みを取り除き、自然な動きを取り戻すには、まずは体ののパーツをつなげていく必要があります。そこでカギを握るのが「骨」なのです。滑らかな体の動きは、骨をうまく連動させることで実現するのです。
44 体の末端を閉じると、バラバラに動いていた体の各パーツが一つにつながり、体全体で動けるようになる。
78 骨組みで体の重さが支えられているからこそ、必要最小限の筋力でもラクに立つことができるのです。
116 姿勢のゆがみ=猫背は、体に様々な付加をかけてしまいます。主だったものは次の三点が挙げられます。 1.筋肉が硬くなり、肩や首が自由に動く範囲が狭くなる。 2.頸動脈が圧迫され、脳への血流が低下する。 3.横隔膜がふさがり、呼吸が浅くなる。
119 (「骨組み」のポイント)
1.ゆるんでいるけど、だらけてはいない
2.体を「骨組み」で支えている
3.無駄な筋力を使わずに動作ができる
122 固めるよりもゆるめること。固まりやすい生き方をしている私たちは、もっとゆるんだほうがいいのです。
167 つかみどころのない心をコントロールすることに腐心するより、まずは体に目を向け、心地よさを取り戻していってはどうでしょうか。骨ストレッチをこまめに行い、心地よく動ける体が手に入れば、心も自然とほぐれ、気持ちが前向きになっていきます。
180 居着かないように考え、発想することで、心がラクになり、これまで出せなかった力が出せるようになる。
187 常識に縛られ、居着いてしまう自分の存在をまず認めるところから初めてほしいのです。