2015年2月8日日曜日

専門家の取り組みを広く伝える、伝わること。

 休日出勤の業務のことなので詳細は控えますが、先日高次脳機能障害に関する講座に登壇者として参加してきました。
 登壇者は支援の対象者とその親御さん、医師(2名)、作業療法士(2名)、私という構成です。入院から医療リハビリ、生活訓練を経て就労支援へとつながっていった事例の中で、Iyokiyehaは現在の職場と当時の職場の職員としてお話させていただきました。
 私が参加してきたこの分野での講座の中では、大変充実した内容だと思いました。コメンテーターが超有名人(医師)で、その方からの質問が職業リハビリテーションに関することが多く壇上で恥ずかしい思いをしたことは個人的なこととしておいて、専門職種連携という意味で、この構成で同じ壇上にあがって一人の事例報告をするということが、この分野に携わる者として大変有意義でした。
 今回、本人のハンデの影響から、偶然に偶然を経て私に登壇依頼があったことも不思議なご縁なのですが、そのご縁が基となって大変有意義な時間を過ごしただけでなく、自分の専門職としての在り方に関しても改めてふりかえる機会となりました。
 Iyokiyehaが担当していた当時、本人の様子について、医療時点での状況がほとんどイメージできていなかったことだけでなく、今回の講座の打ち合わせになって初めて、当時の医療関係者と情報交換することとなったこと、親御さんの気持ちの変化や、本人の帰宅後の様子など、担当者として関わっていた当時全然気づいていなかったことに改めて気づかされました。
 「連携」という言葉に込められた意味だけでなく、それを必要としている人たちの思い、専門職としてのスキルとそのスキルを発揮できる準備の段階や情報収集方法について、そして「(総合)リハビリテーション」という言葉に込められた意味について、改めて考える機会となりました。
 加えて、事例報告というのは大きな場に出れば出るほど「好事例」として紹介されがちで、今回のものについても5年継続勤務の事例としてきれいに紹介されたわけですが、Iyokiyehaの反省としてこの事例はプライドを持って(持ち続けて)関わってきた医療スタッフによって綱渡りが継続しているというものであって、とても俗人的なケースであると痛感させられました。地元の制度が細く長く関わっているからこそ、リハビリテーションの各分野が力を最大限に発揮できるのであって、少なくとも今回は社会から職業への接続のところで連携が断絶していたのだと気づかされました。当事者が「どうすればいいのかわからない」ところに、専門家としてどう関わるか、専門的な支援と継続的な支援をどのように組み合わせてリハビリテーション計画をデザインするのか、それをどう伝えてどう進めていくのかということが、現場として改めて必要なことだと思いました。

講座の質もさることながら、そこから得た刺激は自分にとって大きな大きな学びとなりました。
報告書が公開されるようであれば、またお知らせします。