2014年5月25日日曜日

【Audio Book】百田尚樹『海賊とよばれた男 上・下』講談社、2012年。

出光興産の創業者出光佐三の生涯をモチーフにした小説。限りなくノンフィクション小説に近い内容となっている。

キャラクターとしての国岡鐵造(出光佐三をモチーフとした)と鐵造が経営する国岡商店(出光興産をモチーフとした会社)、それを取り巻く個性的な店員と友人知人の姿、国岡商店が直面する石油メジャーとの駆け引きと国内での戦いが、先の戦争を背景に展開されてきた様子が、出光興産の発展の歴史をなぞりながら描かれている。

大変スリリングでテンポがいい小説でありながら、調べるまではノンフィクションだと思ってしまうほどのリアリティを見事に描ききった小説といえる。Audio Bookの形式でラジオドラマを聴いているような感じのある、大変おもしろい作品だった。
2012年の本屋大賞受賞作品とのこと。うなずける作品だ。