2014年4月6日日曜日

ヨラム・バウマン著、山形浩生訳『この世で一番おもしろいミクロ経済学 誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講』ダイヤモンド社、2011年。

勉強は漫画から入ってはいけない、というのは何かを学ぶ時に言われることですが、気軽に読めてある分野の言葉に慣れることができるのならば、そのツールが漫画であっても構わないというのはIyokiyehaのスタンス。確かに本書を読破したからといって、ミクロ経済のことがわかるというわけではないのだけれども、そのもっと手前で「ミクロ経済って、人々の日常行動を説明するもの」くらいのイメージを持つことはできると思います。
漫画という表現方法は、緻密な説明というよりもそれらを俯瞰する視野を得るものだと思います。普段あまり考えないこと(現在価値とか、最適化とか)も、あえて(難しそうに見える)言葉を与えた説明を聞いてみると、案外身近な行動を合理的に行うヒントになったりします。

経済学をきちんと学ぶのであれば、おそらくもっとよい教科書が出ていると思いますが、それをあまり意識せずに考えてみたい人にはおすすめの一冊かと思います。同じシリーズでマクロ経済学や統計学も出版されています。