2019年5月4日土曜日

ホセ・ルイス・ゴンザレス・バラド編、渡辺和子訳『マザー・テレサ 愛と祈りのことば』PHP研究所、1997年。

・ご縁ある思い出の本だが、当時はパラパラと眺めていたものであった。きちんと読んだのは今回が初めてといえるだろう。
・マザー・テレサや「死を待つ人の家」のことを調べたこともあったが、当時「なぜそんなことをするのか」全くわからなかった。今もわからないことではあるのだけれども、マザー・テレサがそうした活動に取り組む「理由」の一端は感じとれたような気がする。
・人を助けることの意味、貧しい人たちとの関わり方、それが清く尊いことは感覚として了承できても、到底納得できることではなかった。今では、分からないなりにも、若い頃に感じていた「拒否」にはならない。「わからなくはない」ところまでは受け入れられるようになった。
・今回つかんだことは、マザー・テレサにとって出会う人ーー友人、先生、道ゆく人、だけでなく、助けを必要としている人、死にかけている人を含めたあらゆる人ーー全てがイエスその人であるとする感じ方、考え方、物事の捉え方というところ。マザー・テレサの様々な言葉に貫かれている意志は、この点の近くにあると思える。
・この学びは、「今、ここ」の感覚や、禅の思想にも通じることのように思える。絶対的な何かを感じ取る、あるいはそれすら手放し「今、ここ」のみを感じ取ることとの接点であるように思えるようになった。

86 ハンセン病者、死にかけている人、飢えている人、エイズに羅っている人々は、すべて皆、イエスその人なのです。
87 あなた方がこれから触れる貧しい人々の姿の中に見るキリストと、ミサ中のキリストは全く同じなのですよ。