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2010年3月15日月曜日

2010年 JC-NET会議 3/14

http://www.jc-net.jp/
(Web:JC-NET)

よくも悪くも刺激的な集まり、二日目。
私の所属する機関への批判的な意見や、説明の甘さなども見え隠れしたこともあって、来年以降のこの会議への関わり方も、少し考えなければならない。
毎回そうなんだけど、来年度の目標ができました。
・事業所担当者との相談が自信を持ってできて、その内容に基づく調整や助言ができるようになる。
・他機関とのペアでの支援を円滑にできるようコーディネート役にもなれるようになる。
・カウンセラーの業務の可視化と、そのアピールがクリアにできるようになる。
・単一の雇用支援プロセスではなく、肝を押さえて、いくつかのパッケージに流れを整理する。

○実践発表分科会1 「現場からの実践報告1」
(1)山梨県の障害者就労施策について 福本康之氏
(2)すみよし障がい者就業・生活支援センターの取り組み 森屋直樹氏
Iyokiyehaの前任地、山梨県における障がい者就労支援に関する動向をまとめた内容です。
もちろん、渦中にいた頃には、Iyokiyehaも所属機関内外で発言をしていたところもあったのですが、その中で、現在も手探り状態で前進を続けている二人の中心人物からの報告です。
実際に、いろんなことを言われる方もいたけれど、「想いがしくみをつくる」ことの一つの貴重な事例だと思います。
たまたまその「想い」を持った方が、行政職員だったというだけで、逆に行政職員だからこそ、周囲とのコンセンサスを得るのに、多大な苦労をされているのだと感じました。
そして、そのしくみを必死になって切り盛りする、就業・生活支援センターの施設長のスピーチも、現場での奮闘の様子が垣間見えたように思います。
がんばってますよ、山梨県。
興味のある方は、ぜひWebサイトもごらんください。
http://www.hatarakikai.net/
(Web:はたらき甲斐net)

○ワークショップ「ジョブコーチのスピリットが地域を変える」 小松邦明氏(コーディネート)
座談会(インタビュー)形式で、ある取り組みのキーパーソンを深く掘り下げる取り組み。内容もさることながら、方法が面白すぎた。
JC-NETでは、就労支援の実践者や企業担当者など、障がい者の就労支援に携わる方の熱い想いや行動の原動力となる根源的なものを「スピリット」と表現します。
各地で活躍されている実践者の「スピリット」の原点は何なのか。
小松氏が、インタビュー形式で掘り下げて、自ら「スピリット」を言語化していく過程が、とても興味深く、こういう話はじっくりと聴く機会を作らなければいけないと思った。
JC-NETのワークショップには、こういうものもあるから好きだなぁ。フリップの内容(今、一番大切にしているもの)も、導入の部分だけだったし・・・

気になるやりとりの抜粋は、以下の通り。
(まとめの部分)
・正しいと思ったことは、粘り強く続ける。
-こだわりを強く持つ
-感性を大切にする=自分を信じること
・ON-OFFを切り替える。
-「ダメだな」と思ったら、忘れずに休んでみる
・すぐに変わらなくても、「マメに」伝え続ける。
-失敗を伝える
-目指すところが何なのか、ということは何度も何度も伝える
(人が集まる場)
・何かを「作る」ための打ち合わせは、その内容よりも「集まる」ことの意味を考える。
・直接やりとりできる場で、声をかけ続けることが大切。
-「伝えるだけ」にも効果はある。積み重ねが大事。
-「また来てね」と「頼りにしてます」
・伝えるべきことは、整理して「現状」と「(対策案の)メリット」を伝える。
-こんなですよ。こうすればこうなりますよ。これだけ得しますよ。
・「ありがとう」といいながら、宣言する(あるときには、グループを線引きする)
(心構え)
・すぐに動く、隙間を埋める。
・何事も、自分の手柄にせず、「おかげさま」。
・あるときは、陰になり、あるときは日向になる(使い分け)
・釘も出すぎりゃ打たれない。

○シンポジウム:ジョブコーチのみらいを考える 司会:小川浩
シンポジスト
□中村淳子、酒井大介、松尾江奈、中谷美由紀
もっと、ジョブコーチの概念や理想についてガンガンやりあうかと思ったのだけれども、意外にも仕組みの話で盛り上がってしまったのが残念でした。
っつーか、誰だよ、質問のネタになっている同業者は?
おそらく現場レベルで、いろんなことがあるのだろうと察するので、身内批判はやめておきますが、少し残念な流れでした。
とはいえ、内容は濃く、いろんなことを考えさせられました。
シンポジウム全体としては、目指すべきジョブコーチの理想として、
・そもそも、「ジョブコーチ」は、就労支援を広げ・深めるためのキーワード(単に肩書きではない)。
・就労支援全体のプロセスを知った上で、専門性(立場や役割によるところを含む)を発揮できる支援者が必要。
・全てを一人で実施できる「スーパージョブコーチ」が理想だが、現実には難しい。
・チームで役割分担する時など、そのつなぎを円滑にする役割(スーパーバイザー)の存在は重要である。
・助成金制度は、上記のマネジメントの部分が対象となっておらず、集中(直接)支援のみが対象となっている。

ただ、こういった場で、小川氏の言う「ジョブコーチ」の真意をどれだけの人がつかめているのかということや、心地よい「相手不在の攻撃」によって雰囲気が容易に広がってしまうことに対する怖さも感じた。
今後の業務で、以下の点については再考する必要がある。

・雇用支援プロセスの複線化。
・職業センター業務を伝えていく必要。
-職業評価をどのタイミングで、どんな方法で行うのか?
現在の多くの理解は、検査と客観的な職業能力把握、ジョブコーチ派遣を依頼するための条件、重度判定、くらいにしか思われておらず、地域センター利用のメリットが広がらない認識に留まっている。
職場に行く前に一般的な職業評価を実施するのか、調整の中で、職場内における職業評価を組み込むべきなのか、といったことについて、再考の上、整理し、実践に結び付けていく必要がある。
また、職業センターの業務として、事業主支援がすっぽり抜け落ちて認識されている。カウンセラーの専門性は全く伝わっていないし、関係機関とペアで狭義の「就労支援」と狭義の「雇用支援」を補完しつつマネジメントしていくことは、必ずしも周知されていない。今はその両方をできる器用な人がなんとかやりくりしているが、今後はこの部分が専門分化していくことも考えられる。

・第2号職場適応援助者
-研修を受講する意味
-研修効果
企業としては、助成金受給のために研修を受けるというよりは、スキルや考え方を身に付けることと、「ジョブコーチの研修を受けていますよ」というステータスが欲しい。併給調整や、助成金請求の煩雑さで、助成金の額が果たして妥当なのかということを、多くの企業は考えている。
障がい者雇用について「本音で話ができる」ことが望まれており、この窓口として2号研修を受講する目的がある(だから、機構研修よりも、民間研修のニーズが高い)。

2010年3月14日日曜日

JC-NET intermission

懇意にしているワーカーさんと、支所管轄のジョブコーチさんとしこたま飲む。
二人とも、熱い(熱すぎる)志を秘めており、非常にいい会合となった。
 
「役割分担」として、何も業務の棲み分けをするという視点ではなくて、就労支援(本人の希望や不安に基づきサポートしていく)を専門にやれる人員と、雇用支援(企業のニーズに基づきサポートをする)を専門にできる専門職とが、手を組んでケースマネジメントできる体制が、今後の「ジョブコーチ(という考え方。注:肩書きではない)」に必要になってくるということで落ち着く。
 
また、障害のある人が企業で働くことで、企業が変わり、その結果地域が変わっていくというビジョンを描きつつ、それぞれの専門性を発揮しなければ「ジョブコーチ」に先はなく、支援者の負担ばかりが増えていくことになりかねない。
 
今、それ(特に雇用支援の視点を強調した関わり)を業務としてできるのは、私が所属する組織しかないんだろうなと。
そのための専門性を構築することが、自分の職制に課せられた使命だと思う。
 

2010年 JC-NET会議 3/13

○キーノート・スピーチ 小川浩
恒例、小川氏の基調講演。
スライドの作り方や、話の仕方、制度改革の論点など、45分なのに内容の濃い講演だった。
個人的に押さえておく点は以下の通り。
・障がい者制度改革の動向。
(民主党障がい者政策プロジェクトチーム:自立支援法の後、どうなるか)
・大切なことは変わらない。ノーマライゼーションの推進、インクルーシブな環境で雇用されること、支援の質の向上。
・就労移行支援事業の動向。
(特に、職業リハビリテーションとの違いをどのように整理するか)
○ワークショップ1-1 企業へのプレゼンテーション
JC-NETの面白いところは、ワークショップに一工夫見られること。
この内容そのものを評価することには、実はそれほど意味が無いように思うのだけれども、スキルの伝達や、共に考える「しかけ」を学ぶ上で、とても参考になった。
今回のテーマは、企業へのプレゼンテーション。
以下の点が印象的だった。
■企業担当者の視点
・訪問者(ジョブコーチ)と、継続して付き合うメリットがあるかどうか、が、評価の基準になる。
・障害イメージ(MR、MD、CODY、PDDなど、見えない障害は特に)をいかに説明するかが、テーマになることも。企業担当者が障害イメージを持っているとは限らない
・障害の説明をする場合、マイナス面(ハンデ)ばかりではなく、障害特性として「こういうことはできる、得意」ということを伝えられると安心できる。(映像の活用なども話題に)
・担当者レベルでは、「上司への説得材料」がほしい。
-コスト(助成金:種類と金額の概要を具体的に、正確に伝える)
-リスクヘッジ(雇用のリスクを、いかにサポートできるか:制度的、人的)
-他社の事例(見学の企画も含める)
-メリット(企業によるが、宣伝効果なども含め)
・キラークエスチョンの一つ、「附帯業務は誰がやっていますか?」
・そもそも「なぜ障害者雇用をしなければいけないのか?」という問いがあることも多い。
■ジョブコーチが押さえておくべきこと
・訪問目的の明確化。
・どんな支援ができるのか、担当者がイメージできるようわかりやすく伝える。
・曖昧表現(「いろんな人がいて・・・」「人によって違うので、一概に言えないのですが・・・」など)は、使い方に気をつける。相手がイメージを欲している時には、典型例をはっきり伝えた方がいい。
・対象者の「今」だけではなく、「成長」を含め見ていただけるよう申し入れをする。
・通常の雇用ルートとは違う場合(支援機関とのかかわりが少ない場合など)一般的な雇用ルートと違うことの意味をきちんと説明する。
○ワークショップ2 障害のある人の就労支援の制度を生かすみち
就労支援の関係機関と制度を学ぶ、パネルディスカッション。
制度という「カタい」内容を、「ゆるい」やりとりで説明するもの。
こういうワークショップも悪くない。
ただ、正確に知らなければいけないこと(雇用保険の加入用件や、トライアル雇用期間中の保険加入など)について、地域性があることを含めもやもやしたまま流れてしまったのが、残念。
労働行政を熟知した人を、パネラーに据えるべきかと。
もう一つ、取り組むべき点として、障害者職業センターの役割について、きちんとわかりやすく説明する積み重ねが必要であるということ。
また、今回のパネラーにも積極的になるべきだと思った。
というのも、福祉機関から見た職業センターは「判定(重度)するところ」「検査して、職業能力を評価すること」「ジョブコーチの派遣をする」程度の認識でしかなく、そこには、カウンセラーによる調整機能や、事業主支援の視点は全く含まれていないことが大半である。
こういった説明が、就労支援を目指す機関に垂れ流しになってしまうことによって、利用の目的は曖昧に、そして利用するメリットがが感じられなくなってしまう。
いくら宣伝を打っても、スプレッダーをおさえておかないと、その認識は勝手に全国へ広まってしまう。
今後、ウチの組織が、本気で取り組んでいかなければならないことになっていくと思う。

2008年3月10日月曜日

JC-NET会議2008(プログラム外)

9日の朝食の席上、某地区の支援者と、この集まりでは主導的立場の方とが談笑している席の側に座り、二人の会話を聞いていた時のこと。
要約すれば、「職業センターは、微妙」との評価。
支援者は、私も顔を知っているくらいの方。
曰く「知的障害者の重度判定を取りにいくくらいしか、使っていない」とのこと。
職業評価は時間ばかりかかって、実入りのある情報が得られない。
ジョブコーチ支援の質もいまいち。
そもそも、電話連絡してから動くまでに時間がかかりすぎる、とのこと。
何だか、苦笑いされていました。
「職員は、あれだけ給料もらってるんだから」と憤慨気味な方を、否定はせずにたしなめているような内容だった。
・・・否定も肯定もできませんね。
でも、こういう見られ方してしまうんですね。
悔しいけど、燃えますね。
こういう「こんにゃろー」も、仕事のモチベーションになるのだと感じた瞬間でした。

自分の身分を明かすと変に恐縮されることも多く、一方で「職業センターって何?」といった方もいるなど、本当に多様な方が集まるこのJC-NET会議。
持ち場にいて、やってくる支援機関の人と話をしているだけでは、この感覚はない仕事のように思う。
だって、職業センター主導の就労支援現場では、支援者の主役格としての位置づけを求められて、それに応じているわけですから。
でも、一歩外に出れば、それは本当に井の中の蛙であることを嫌でも感じさせられます。

……こういう中で、初対面の人とやりとりすると、本当にいい刺激が得られる。
この感覚は嫌いではない。

帰りの電車でも、おとなしく窓の外に目をやり、「東京の住宅地はすごいなぁ」と感心していると、背中越しに声が聞こえてくる。
「○○センターのジョブコーチ、いまいちなんですよ…」結構、名指しでやられています。
その中で、ガツンを響いた言葉。
「だって、第1号って(職業)センターに『実績をプレゼント』してるわけでしょ?」
これには、思わず息を呑んでしまいました。

普段やりとりしている関係機関の方や、今回会議で出会った人たち、支援している対象者や、障害者雇用を考えている事業所の方、私が仕事で出会ってやりとりをする人たちへ、感謝の気持ちを忘れてはいけないと改めて感じさせられました。
そんな意味で、自分の職場の世界から一歩飛び出して、いろんな人の「本音」を聞けたことは本当にいい機会だったように思います。
私も、まだまだまだ、精進しなきゃいけません。

JC-NET会議2008(3月9日)

会議二日目。
○実践発表分科会1『現場からの実践報告Ⅰ』
-仲町台センター
自閉症者の支援について、具体的な事例報告。
「ジョブコーチのしごと」を、『その人に“合った”仕事を、選ぶ・探す・教える手伝いをする』と端的に示したあたり、非常に印象的だった。
いかに「事業所ニーズ」に応じた支援をするか。
就職とは、「○○ができる」ことが課題になるわけではなく、あくまで事業所のニーズに求職者が合わせられるかどうかにかかっている。
手順書の作成も、ルール作りも、あくまで本人が会社でうまくやっていくために、作成される。

-ティーダ&チムチム
(ていだ=「太陽」、ちむ=「心」の意)
精神障害者の就職事例報告。
忙しくなると、仕事が遅い自分を「邪魔?」と不安になるなどの特性あり。
ジョブコーチ支援は、不安解消のための「声かけ」と「アイコンタクト」によるフォローが主な内容となっていた。
多いときには、4回/日くらいの電話連絡があったとのこと。
インタビューの映像も流され、そこで「電話で話せたことが、気持ちの切り替えになった」等の発言が見られた。
支援の内容や、電話対応で気をつけたことなどを質問したかったが、機会がなかったのが残念。
調子を崩して三週間休んだ時、休んだ期間とその前(働けていた時)とを比較し、「やはり、働いていた方がいい」と納得させるなどの手法は、おそらく私が意図しているあたりと同じものを援用しているものと考えられる。
同じ職場に、同じ病気を持ちながら10年、20年と働いている障害者がいることを紹介しながら、「そういう人と同じように働けるようになりたい」という意思表示が見られたことを取り上げ、ナチュラルサポートの概念拡大(ナチュラルサポート=健常の従業員、と思ってしまいがちだが、障害を持った従業員をも含まれて当然)について紹介された。

-油山病院(精神科デイケア)
病院デイケアにおける、就労支援の取り組みの事例報告。
10年以上かけて、スポーツ活動、SST、心理教育、健康教室など、職業リハビリテーションに段階的に取り組み、現在は「心理教育・健康教室・SST」の三本柱となっているとのこと。
肥満傾向のある人は、体重変化と気分の変化とが連動することもあるため「健康教室」が柱となっているとのこと。
発表者の印象も含め紹介されたのは、以下の通り。
・就職活動をする人の70%くらいは、障害の開示・非開示を問わず、何らかの形で就職している。
・障害を開示しても難しい人はいる。
・障害を非開示にすると、服薬を自己判断(周囲が気になる、など)により中断し、体調を崩すことが多い。
・JC的な支援は、他機関の支援に加え、デイケアのPSWが実施。

-花王ピオニー
花王株式会社の特例子会社として立ち上がった「花王ピオニー株式会社」の事例紹介。
花王製品のサンプルや試供品の箱詰めや梱包作業が主な職務となる。
知的障害者の雇用が中心で、現在18人が雇用されている。
雇い入れ時に、どんな支援制度を活用したのか、ということについて質問できなかったのが、残念である。
ピオニーの社長による事例発表だったが、雇用前に懸念していたこと(作業スピードがあまり速くない、ロッカー室を他の従業員と同じでもいいか、食堂の利用など)は、意外にも簡単に払拭されたなど、事業所環境の良さが実績に現れているように思えた。
「仕事は、個人能力の最大化を目指す」というポイントが印象的だった。
確か、メンタルヘルスマネジメントの勉強をしたときにも出てきたし、障害者雇用の場面において本人支援の究極目的はこの点に置かれるべきだと思う。

-ビック・ハートの就業支援
千葉の障害者就業・生活支援センターの事例報告。
多機能型の作業所(就労移行支援20人、就労継続B型10人)と支援センターとで就労支援を実施している。
後日、先方と連絡をとって、資料提供を申し入れるつもりであるが、利用者アセスメントに独自のツールを開発して実施している。
利用者の職業能力について、ワークサンプル法のような手法を用いて、見事な所見が示されていた。
また、先駆的な動きと連動して「障害者就業・生活支援センターのあり方」について議論を重ねてきており、その成果物が近いうちに発行される予定であるとのこと。
昼休みのポスターセッションに、アセスメントのツールを展示・紹介していたが、本当によく出来ていた。
いよいよ、地域センターの業務の根っこに触れてきている感覚を味わい、いい意味での刺激をもらったように思う。

○シンポジウム『働く障害のある人を地域でどう支える』
沖縄:ティーダ&チムチム、埼玉(東松山):東松山障害者就労支援センター、東京:WEL’S TOKYO、それぞれの事業展開とネットワーク構築に関するシンポジウム。
障害者就業・生活支援センターの事業報告を通して、地域に応じた支援センター事業の展開と今後の展望について考察する。

-沖縄:社会資源も限定され、事業所も少ないところで、どうネットワークを構築するか
精神障害者の支援が割合としては多いが、就労支援・生活支援いずれも、医療機関をいかに巻き込んでいくかがポイント。
「どうにかしてあげようとしない勇気」や「どうにもならないことを経験させ、フィードバックする。他機関の力をかりる」ことも必要。
ネットワークは本人が教えてくれる(本人の行動範囲を見ていれば、作りやすい)。
フットワーク(足でかせぐ)、ネットワーク(顔が見える関係)、チームワーク(同じ方向を見る関係)、「ソーシャルウォーカー」なる造語も飛び出す。
「ありがとう、ごめんなさい、お願いします」は常に必要。
社会適応訓練事業の実施にあたり、事業目的も大切だが、それ以上に「地域とつながっている感覚を得ること」が大きい。

-埼玉:生活支援はある程度充実している地域で、就労支援にどう特化していくか
・ニーズがあるから「形」を作る(「その人ありき」という考え方)
・作る形は「箱」ではなく「システム」(費用対効果も常に念頭において)
・自主事業の展開が、新たな公的事業を提案する
・就労支援への「こだわり」
話を聞けば聞くほど、古巣に類似した活動を展開してきたように思う。
短時間でものすごい情報量が含まれた報告のように感じたが、おそらく事業構造そのものがやや単純化しにくいものではないかと察する。
ビジョンとして示されたことも興味ぶかい。
・多様な就労支援ニーズに対応するセンターを目指す
 (障害者、企業、地域を支える)
・社会に貢献できるセンターを目指す
 (センターという「ブランド」の構築)
・就労支援ネットワークの拠点となり、地域資源の育成に努める
 (キーワードは「就労支援」)

-東京:就労支援機関も、その機能も充実している地域でのとりくみ
企業への提案型雇用支援も展開している。
ハローワークとの接点も強く、ハローワークからも連携依頼が届くような関係となっている。
「WEL’S-NET」という、求人・企業実習の情報提供手段により、様々な機関(現在27団体)と情報共有を実施している。
各機関の持つネットワークを、有機的につなげていく試みといえる。
「ネットワークは、みんながハッピーになる」。
全国どこにでもある機関が中心となり、ネットワークで就労支援を展開する。
その土地の事情をプラスする、という感覚で「TOKYO STYLE」を紹介された。

-まとめ
以上の事例報告を通して、障害者就業・生活支援センターの特徴を4点から説明する。
1)地域のクッションとしての役割がある
2)雇用している人(メモが途切れている…)
3)地域の事情により、事業展開や手法は様々である
4)地域の就労支援の業界では、誰にも負けない人脈を持っている
以前より、JC-NETでは「スピリット」と「方法論」「技術」が必要であると説いているが、「社会貢献」「みんながハッピーに」といったスピリットが土台となり、「事業展開」や「支援手法」といった方法論・技術がそれに加わり、初めてその土地で実のある事業展開が可能となる。

JC-NET会議2008(3月8日)

毎年参加している、JC-NET会議。
http://www.jc-net.jp/
(ジョブコーチ・ネットワークWeb)
会場が、上智大学から大妻女子大学多摩キャンパスへ移り、移動は不便になったが、分科会の会場は広く、多少快適になった。
今年で第4回を迎えるこの会議。
毎年、最高級の刺激を持ち帰るのだが、今年もその例に漏れず、いい刺激を受けて新しいアイディアが頭の中で渦巻いている。

○キーノートスピーチ(小川浩)
小川氏による、この一年の障害者就労支援の動向と、会議の設計図について説明。
この方の講演は抜群に上手い。
話し方、スライドの構成のしかた、数字の説明の仕方。
どれをとっても勉強になる。

障害者雇用率の推移では、大規模企業が雇用率全体を引き上げてきている傾向がある。
1000人規模以上の企業では1.70%となっている。
5年前くらい前(平成13~14年)を境に、59~99人規模の事業所と1000人以上規模の事業所とで、雇用率の相対的な高低が入れ替わっている。
精神障害者が雇用率に算定されるようになったとはいえ、劇的に雇用が進んでいるわけではない数値が示される。
特例子会社の数は、右肩上がりで増加の一途をたどる。

労働政策審議会の意見書に基づき、障害者雇用促進法の改正が検討される。
ポイントはいくつかあるが、障害者雇用に直結する主な内容は以下の通り。
・短時間労働者(20時間以上30時間未満/週)の雇用率算定
・納付金の徴収と調整金の支給対象を、101人以上規模の事業所にも拡大する(まずは、201人以上規模から段階的に)
・除外率の10%引き下げ(早ければ、今年7月から)
一方で、障害者雇用を進めやすい施策として
・中小企業における事業協同組合
・チーム支援
・障害者就業・生活支援センターの拡充
加えて、障害者自立支援法によって打ち出された内容について、設定された数値目標は、勢いのあるもので、中でも職場適応援助者による支援数(5割)が、近年各県でジョブコーチ(かそれに類する)養成を始める根拠となっている。
また、小川氏の私見として、定着率の測定方法は2年、3年の帰趨状況とするべき、と提案される(現在は6ヶ月)。

こうした状況で、各々の立場でできることは何か、という問いを発し幕を閉じた。

スライドの作り方で、「うまい」と思ったのは、以下の点。
1)分科会会場への道のりを、写真スライドで挿入し、会場の雰囲気を和ませた箇所
2)テキストボックスを淡い色の背景色、枠なしで使い、例を書き込む


○ワークショップⅠ(地方自治体の就労支援)
大阪府のジョブライフサポーター(JLS)事業、埼玉県の障害者雇用サポーター事業・市町村就労支援センター設置促進事業、広島県の障害者ジョブサポーター事業の事例紹介。
-大阪府
2005年度に府の単独事業として実施される。
大阪府下(政令指定都市・中核市を除く)の施設や作業所の利用者を対象に、主に施設利用者に「広義のジョブコーチ支援」を行い、就労促進を目指す制度となっている。
NPO法人大阪障害者自立生活協会が事業を受託。
支援機関は6ヶ月と、再支援可。
府の健康福祉アクションプログラムにも「ジョブライフサポーター事業の実施」が明記されている。
障害者就業・生活支援センターは主に在宅障害者を中心に支援することとし、明確ではないが住み分けがなされている。
国のJC事業との違いは、「実習のみ」の場合も支援対象とすることとしている。
雇用型JLS(当該法人で雇用している)と登録型JLS(施設などの職員で養成講座を修了した方を対象に活動してもらう)を設置している(職業センターのジョブコーチ支援事業と対応する形式)。
現在は、雇用型JLS(7人)がコーディネート役となり、登録型(95人)が実働している形となっている。
予算規模は、4,700万円/年から現在は5,600万円/年となっている。
活動は一日あたり1万円の謝金。
実績から、知的障害者は集中支援を過ぎると支援頻度は減少するが、精神障害者の場合は支援機関が長期化する傾向があることが言える。
職場開拓については、電話および訪問により、約7%の確率となっている。
提案型のNPOが事業を受託していることにより、対支援機関でも場合によっては指導的立場となりうるし、対行政にも事業の効率化について厳しい意見を突きつけている。
また、準備訓練のプログラムについて、その必要を提案される。

-埼玉県
Web「働く障害者のチャレンジ・ストーリー」
http://www.pref.saitama.lg.jp/A07/BM00/syougai/syougai02.html#link0
埼玉県市町村障害者就労支援センター、埼玉県障害者雇用サポートセンター、産業労働センターとの連携。
定着支援、就労コーディネート、雇用の場の創出、普及啓発と役割分担ができている。
特に、市町村障害者就労支援センターでは、職業相談から、実習支援、定着支援(ジョブコーチ支援)と一貫した支援を実施している。
(9日のシンポジウムと連動)

-広島県
障害者ジョブサポーター制度。
雇用率が増加しない原因として、1)年間1000人ほどの離職者があること、2)国JCが県内に12人。これらにより、障害のある人の離職防止、および定着支援のための機能が限られている。
事業内容:ジョブサポーターの養成・派遣。
ジョブサポーターには、1)企業内サポーター、2)派遣型サポーターがある。
(1は120人/3年、2は90人/3年)
企業内サポーターには、障害者雇用をする企業の従業員を対象に、障害特性に関する基礎知識、職場でのサポート等について学ぶ養成講座を実施。
研修プログラムの質は高く、好評を得ている。
派遣型サポーターは、障害者就業・生活支援センターを受託している法人へ登録し、同センターが派遣の調整をしている。
受講要件の見直しや事業の継続性、また企業ニーズを察知し、適切な支援や提案を実施できるジョブコーチの養成が、課題としてあげられている。


○ワークショップ2 「地方に就労支援の芽を植える」?!
山陰合同銀行の取り組みと、地方の企業を指導役として訪問した立場からの事例報告。
-『ごうぎんチャレンジドまつえ』の開設と知的障害者雇用に関する取り組み
山陰合同銀行(以下「ごうぎん」)の知的障害者雇用に関する取り組み。
趣旨は、1)知的障害者が専門的に就労できる事業所の整備、継続的雇用を行うことで、障害者の自立を支援する。2)「森林保全活動」に告ぐ地域貢献活動の柱とする。3)障害者雇用の地域におけるモデルづくり(開設までの取り組みや、運営ノウハウの後悔により、地域全体で知的障害者の自立を支援する。地域におけるセーフティネットのモデルケースにする)。
取り組みのポイントとして、慈善事業ではないことと、当該事業所だけの取り組みにしないという前提がある。
作業内容は、1)粗品の作成(絵を描く、森林保護と絡めたエコバックや木工品(通帳入れなど)、ノベルティなのに「銀行」の文字はない!)、2)事務補助業務(名刺や伝票印刷、ゴム印押し、冊子・パンフレット封入など)。
新規事業の開発と、既存業務の切り出し・集約、外注業務の内製化により、職務を再設計する。
その際のポイントは「新たな経費負担を発生させない仕組みづくり」。
雇用には、就労移行支援事業の訓練・実習(当初5人)、トライアル雇用制度(追加4人)、雇用前JC支援(新卒5人)など、状況に応じた対応をしている。

ごうぎんが障害者の就労支援を行う理由は、1)経営理念として「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を目指していること。「障害者が地域で当たり前に働く」という夢をかなえること。2)地域金融機関の役割として「リレーションシップバンキング」という視点から、地域経済の活性化をめざし、企業として障害者雇用促進法への対応を検討した結果である。とのこと。
最後に、企業は企業のネットワークをもっており、支援者は支援者のネットワークを持っている状況の中で、それらのネットワーク同士をつなぐ「ハブ」としての役割を就業・生活支援センターが担うべき、との提案をされた。

発表された宮本氏のスライド。
ごうぎんチャレンジドまつえの従業員が書いたイラストが、あちこちに動作を伴って表示され、面白いつくりになっていた。

本間氏の報告では、これまでの取り組みを紹介され、その上で「継続就労」を支える、本人の力、支援者の姿勢を提案された。
事例・経験に基づく、具体的な提案はわかりやすい。
<働く人にとって大切なこと>
ハンデのある、なしに関わらず「この社会で一人で生きていく力」が身に付いていること。
これが働き続けることの、大きな力と前提となる。
・会社にきちんと来れること
 (生活リズム、通勤、病気・事故の連絡など)
・ 働く体力があること
 (食事をちゃんと摂る、健康など)
・生活習慣は身についているか
 (他の人と一緒に働く上で必要になること、風呂、着替えなど)
・「働く」ということを意識できているか
 (言われたことはきちんと守れる、分からないことは聞く・相談できる、安全に配慮できる、金銭管理と使用、お金を使う喜び、など)
・みんなとの強調
 (挨拶、会話をする楽しさ、など)
<ジョブコーチにとって大切なこと>
・障害者、事業主からの信頼を得ること
 (そのためには、「専門性の研鑽」。どれだけたくさんの引き出しを持っているか、障害者の働いている現場をどれだけ見ているか、そこで「あがいている人」とどれだけ話ができるか。一緒の現場に立てる人)
・彼、彼女をどれだけ見ているか
 (どうして、なんで?きっと理由がある)

事業所開拓の時には、企業情報をいかに入手するかがポイントになる。
「地方」という言葉には、人口が少ないとか、この分野でいえば事業所が少ないとか、そういった意味も含まれるが、どんな状況においても就労支援を成功へと導く力は、「熱い思いと、具体的に動く行動力、そして人と人とをつなげるネットワーク力」であるということが示された。

2007年3月11日日曜日

就労移行支援事業(3/11)

 これまで、仕事の上では正直ほとんど気にしていなかったが、自立支援法の施行により福祉施設が大きな変化の時期を迎えている。本日午後のシンポジウムのテーマはまさにこの点。勉強不足だったので、議論についていけていなかった部分もあったが、充実した情報収集ができた。
 余談だが、JC-NET代表小川氏のシンポジウムのファシリテートは抜群にうまいと思う。シンポジストとあらかじめ、綿密な議論が交わされた上で、議論の落としどころを明確にしておき、それらにまつわる話題をふっていく。我々はどうすればいいか?ということだけではなく、現状の理解(好事例としてどんなものがあるか、そうではないところではどうか、行政の立場としてはどうか、等)を徹底的に深めていく。この緊張感のあるやりとりは、そこらへんではなかなかお目にかかれない技術だと思う。
 本題。自立支援法の施行により、福祉施設も就労支援をやっていくことになる。その時、福祉施設としては「就労移行支援事業」として事業申請し、自立支援法の内容で就労支援を進めていくことになる。話題は多岐に渡ったが、主なところは以下の3つ。1)就労移行支援事業の利用者をいかに確保していくか、2)フォローアップについて、3)ネットワークの構築について。
 1)は現状に正直驚いた。就労移行支援事業の利用者を確保するのが大変であるとのこと。全体的な数の論理はよくわからなかったが、20人定員の就労移行支援事業の場合、損益分岐点は17人とのこと。常時17人、同支援の利用申請をあげることができなければ、損失となっていくらしい。一方で、法律によって提案されている、養護学校卒業→福祉施設→一般就労、というルートに対して、同施設の状況では、今年度養護学校卒業生の内、福祉施設に入る予定者は5人とのこと。定員30人の施設では、35人契約者がいれば受け入れるつもりだが、そんなことはありえない、とのこと。2年を限度に一般就労を目指すという「縛り」や、費用負担が原因の一つとなっているようだ。費用も、労働行政のもつ制度では無料もしくは訓練手当てという形で支給されるものと、施設における就労移行のための訓練に支払うものとがあり、利用者にしてみれば「なぜ就職するために、お金を払って訓練を受けなければならないのか」ということにもなる。このあたり、労働行政としては福祉の現状を踏まえた上で事業に取り組む必要を感じた。
 2)については、就職後のフォローアップを、どこの施設が担当するかという話から。この結論としては、ケースバイケースというところ。所属している施設であるとか、就業・生活支援センターであるとか、様々な選択肢はある。一つ押さえておくことは、就業・生活支援センターが全てのフォローをできるわけではないということ。今後、就職数が増えてくると、必ず支援センターが足りなくなる。
 こうした柔軟な支援体制を構築するために、関係機関同士の連絡体制(ヨコの関係)を平素から持っておくことが必要といえる。3)についてはそうした流れで話題が盛り上がった。加古川の事例では、就業・生活支援センターが雇用支援連絡会議を1回/月で開催しており、養護学校、福祉施設、職業センター、安定所など、様々な関係機関との連携を保っている。労働行政の立場としては、連携の通達が着てから姿勢が変わったとは言われたが、それ以上に来年度から始まる就労移行会議に就労移行支援事業を持つ施設がどれだけ参入していくのかということが重要視された。この機会を逃すと、乗り遅れてしまうとの助言がある。一方で、裏情報ではあるが、安定所も担当官次第のところがあり、一つ事実として上がっているのが、窓口の相談員の減員となること。それにより、担当官の動き方がどうなるかということをある人が心配していた。
 また、企業のネットワークも一部で構築されつつあり、特例子会社を切り盛りしてきた事業所関係者が定期的に会議を開催しているとのこと。そして、好事例や応用可能な事例いついて、地方への情報提供も始まるとの情報があった。 障害者就業・生活支援センターと就労移行支援事業の双方を持っている施設が、他の施設による就労移行支援事業を経て就職を目指す就業・生活支援センター利用希望者を支援できるか、というところから始まる。当然「支援する」わけだが、多少のジレンマはあるとのこと。ただし、確かな施設は生き残るため、今後そうした状況がでてくるのは必至だろうとのこと。ただし、そうした状況も、必要に応じては利用者確保(本当に働ける人が、必要な施設に紹介されるという意味で)にもつながるようになるといいという希望もあった。

精神障害(3/11)

 JC-NET会議二日目。今年度は、自分が担当したケースが訓練を始めて、次々と体調を崩してしまったことがきっかけで、実践報告だけでもと思いワークショップに参加。まだまだ勉強不足、というか、基礎文献を丁寧に読んで、まずは基礎が身につかないと、評価業務をするのが怖くなってきたような気もします。
 精神障害者リハビリテーションの基本的な考え方ということで、「回復」とはどういうことかという問いに対して、これまでの私はそれに応えられなかったと思う。一つには、大山氏の報告にもあった「精神疾患や障害が軽減するにとどまらず、社会・職業生活を通じて、自尊心や自己効力感が高まるなどを含むもの」とのこと。この整理は、本当に当たり前ではあるのだけども、本質を突いていると思う。支援者としての私は、結局本人のためではなく、こちらの要望を半ば押し付けようとしていたような気がした。Villageの実践でいうところの、施設は前菜、地域に出てからが主菜Main Dishとのこと。そして、支援の立場はあくまでもMenber Driven。人生を車と例えるならば、その運転手は本人であって支援者ではないということです。
 このあたり、当たり前の考え方ですが、とても大切なことのように思います。そして、私に欠けていたもののように思います。病気の理解も甘ければ、相手に気を遣うふりをして私の仕事の都合だったのかなと反省。次はこんなことにならないように、見立てを慎重に正確にするために、まだまだ精進しなければ、と思わされた事例報告でした。

脱皮(3/10)

 この週末はJC-NET会議への参加のため、上智大学まで行ってきました。去年は妙な縁もあり、会社の本部の上司と一緒に行動できて、いろんな人と知り合えたのですが、今年は単身の予定だったので、さてどうしたものかと思っていました。同期2人、後輩、岡山での知り合いや、静岡の知り合いなど、結構知っている人が多くて楽しんでいます。これから二日目の内容。その前に昨日のメモを。
 1年目は、とかく勢いのみを感じた集まりでした。当時の私は、まだN-Pocket所属で、今の会社に就職が決まったところ。「Iyokiyeha君、これに行ってきなさい」とN-Pocketで言われて、何となく行ったものでした。翌年は、一人で行こうと思っていて、上記状況に。内容は、やや勢いが削がれたようにも思ったので、3年目の今年がどうなるか、ちょっと楽しみ、不安が入り混じっていたのですが、テーマの通り「脱皮」したように思います。
 今後の障害者雇用を支える上で、1)行政の方針、2)障害者の数(供給)、3)企業の受け入れ体制、4)支援機関(者)の力量、がバランスよく増える、力が向上する必要があるという切り出し。現状(H18年度6・1調査)としては、雇用率は1.52%(全体)、100~299人の中小企業では1.27%と低い水準にとどまるが、1000人~の大企業では1.69%と高い水準となっている。大企業先行で雇用率は引き上げられているが、大企業の雇用率達成率は36.9%ということで、少ない大企業が牽引している形となっています。1)行政の方針については、福祉の側で自立支援法の施行とともに、就職数を5年間で4倍にする目標が打ち出され、労働行政の側も安定所の雇用率指導の内容強化という形で、障害者の雇用ということについて行政からは「追い風」となっています。一方、それを受ける企業は「プレッシャー」を感じているとのことで、各企業の障害者雇用への関心の高まりが見られます。知的障害者=金の卵、などという表現もみられます。どうやら首都圏では、障害者の供給不足に陥っているとのこと。2)について、施設に所属している人をどれだけ一般就労の舞台にあげていくのか、ということがポイントになってきます。そうなってきた時に、4)支援機関がどれだけがんばれるか、どれだけ専門性を向上させられるか、ということがこの会議の一つのテーマにもなっていました。
 雇用率を0.1ポイント上昇させるには、頭数3283人(内重度1017人)の雇用が必要となり、それはJC657人分の仕事(JC1人あたり5人の就労)となるとのこと。 支援機関に望まれることとして、1)大企業に対しては、一度に2ケタ、3ケタの障害者雇用を希望されたときに、サポートしきれるのか、という課題があります。大企業への支援は、仕事の支援だけすればいいというものではなく、指導は企業中心で、その上の支援が必要となります。本人アセスメントから職場アセスメントが的確で、その上で提案できる力が求められる、「スーパージョブコーチ」などという造語も飛び出しました。一方居で、中小企業へのアプローチは、まだまだ個人の力量が問われることもあり、JCと企業とが協力して、マッチングを図っていくということが必要であるということです。
 これまで障害者の雇用を何十年とやってきた、企業側の話。仕事の単純化と「間違えにくいシステム構築」から入り、訓練においては、スキルや作業量ではなく「職場に適応できること」が最優先されるという話。企業に負担感・不安感があってはならない、それを取り除くのが就労支援の目的、とのこと。また、障害者本人にも「仕事ができる」→「もっと仕事がしたい」→「いろんなことができる」→「自信になる」→「もっと仕事ができる」→……といういいスパイラルを作るための支援が必要とのこと。最後に、「企業は多種多様(作業の内容だけでなく、社風、地域なども含め)」であるから、ニーズに応じることが最優先であるということや、本人にしてみれば、「やりたい仕事がどこにあるのか」を知る機会がほしい、その上で支援機関としては本人・企業のアセスメントを的確に、橋渡し役となる必要があるわけです。企業が障害者に求めることとして、1)障害を理由に逃げない、2)自立への自覚、3)気力・体力、4)身の回りのことは自分でできる習慣、5)ビジネスマナーは誰にも期待される、といったお話を聞きました。 最後のワークショップでは「風をつくる」をテーマに、就労支援の変遷を確認した上で、1)今やっていること、2)これからやろうとしている・やらなければならないこと、をロールプレイを交えての説明でした。結論、私がやっていることは東京では10年前のことをやっているのだなということ。知的障害者の特性は、判断が苦手、臨機応変が苦手、小学生レベル、覚えるまでが難しい、などなど、実際に第三者として話を聞いていると、よくわからない。それを私は、今専門職としてやってしまっているのだなと、実感したところです。「いつも、なんどでもが得意」をキーワードに、適している仕事や、「いつも」の内容、方法、場所、時間、「何度」の回数が多い、工程が少ないといったわかりやすい言葉で説明できるスキルがまず、今すぐに必要となるなと思いました。それに加えて、所属施設の「簡潔」な説明、自分(JC)は何者か、求職者のアセスメント結果であるとか、企業の情報収集により職務の切り出しを行っている、など、今すぐに業務内容を向上させるヒントがたくさん詰まっていました。その上で、提案(どんな仕事を、何時間×何人分用意できるか)する力が何より求められることとなり、首都圏の専門家はその域にまで達しているのだなということを確認できただけでも、大きな収穫でした。
 この会議で言うところのJCは「広義」ですから、職業センターマインドは一旦捨て去ってあげないといけません。カウンセラーである私にも、今すぐ役に立つ情報満載の集会です。これから二日目に行ってきます。