2009年9月27日日曜日

相川章子、田村綾子、廣江仁著『かかわりの途上で ――こころの伴走者、PSWが綴る19のショートストーリー』へるす出版、2009年。

現役PSWによる、日々の業務の記録。
「これぞPSW!」という性質のものではない(PSWの独占業務はない)のだが、PSWならではの「かかわり」と、経験を通して考えたこと、感情の変化が淡々と語られる。
これまでに、こういった専門職の日常をそのまま描いたまとまった読み物に接したことがないため、非常に新鮮な内容。
対人業務、特に障害を持つ人と接する人は、その障害種別を問わず一読に値する書籍だと思う。
「自己決定を促す」「人生を支える」とはどういうことか、ということについて考えさせられた。

著者それぞれの視点が面白いことと、Iyokiyehaが一目置いているワーカーさんのボスが著者だったため、衝動買いに近い感じで購入。
Iyokiyehaがこだわる「誰の何のための支援なのか」ということや、「支えること、かかわること」の本質が、クリアな言語化にはならないのだが、それぞれのエピソードから「なんとなく、このあたり」といったものを受け取ることができた気もする。

個人的に、PSWの通信課程がこの10月末で修了する見込みとなった。
今年度のスクーリング(8月)で、「対象者の自己決定」や「一般的に望まれない・社会的な常識に反することを対象者が希望した場合の支援」さらには、「支援者の立場」といったディスカッションをする機会があり、今の仕事にも共通して活かせそうな考察を得たところである。
すなわち、働くことを含め、その人の生き方に関わる現場において、その人の内側にあるものが動かない限り状況は変わらない、というごくあたりまえのことと、選択肢を持った上で「選べる状況」に置かれた人の決心は、外的要因によって捻じ曲げるべきではない、ということ。
「普通、こうだぜ」とか、その人が知らないことを体験させることはできたとしても、最終的にその人が何を選ぶかということそのものにはアプローチすべきではない。そもそも「アプローチ」という行為が成立するか否かも微妙だという、一応の結論を得た。

こういった整理をした直後に出会った書籍のため、内容がIyokiyheaに染みわたるような読後感を得た。


おすすめ度:★★★★★(対人業務についている人には、職種を問わずおすすめ)


2009年9月22日火曜日

池上彰『わかりやすく<伝える>技術』講談社現代新書(2003)、2009年。

NHK「週刊こどもニュース」の初代お父さんの池上氏による、「伝え方」に特化した新書。
平易な文章に、これでもかと実を詰め込んで説明する、池上氏の語り口は、フリージャーナリストとなった今でも全く色あせない。
むしろ、いぜんより更に言葉が洗練されているような気がする。

一読してみての感想ではあるのだが、「伝え方」に特化した書籍でありながら、その「伝え方」を忠実に実践している本ではないかと思う。
だから、余計にわかりやすい。
随所にわかりやすさの「しかけ」は織り込まれているのだろうが、ここで具体的に「○ページの・・・」というのはナンセンスだと思うので、気になる方は是非手にとってみては。

以前、Podcast「長谷部瞳は日経一年生」で新聞記事の読み方・書かれ方について触れたことが、そのまま伝え方にも共通しているということがリンクした。

http://iyokiyeha.blogspot.com/2009/02/2008_16.html
(2009年2月16日投稿分:ちなみに、現在は「西川里美は日経一年生」になっています)

あたりまえのことではあるのだけれども、限られた時間の中で物事を伝えるには、
・リード(結論を端的に、こんなことがありました)
・本記(それは、こういうことですよ)
・理由や原因(背景にはこんなことがありますよ)
・見通し(今後はこんな風に展開しそうです)
・エピソード(そういや、こんなこともありましたね)
という順で、書かれ、語られるのが効果的です。
要は、「逆三角形」で内容を盛り込むやり方です。
じっくり時間をかけて、相手に知らせることのできる場面、例えば長時間の講演や論文など、においては、この原則だけではなく、「起承転結」となり、イメージは「逆三角形」ではなく、「長方形」になる。いい論文は、どこを読んでも素晴らしい、というのと同じ。

Iyokiyehaは、普段プレゼンの機会があると、PPT資料では、Agenda(目次)の前に結論スライドを見せてしまう方法をとっています。
最後まで資料を作って、結論をスライド2枚にまとめるのですが(一枚はイメージ、もう一枚は説明)そのうちのイメージスライドをしょっぱなに見せてしまう。
この方法をとるようになってからは、気が楽になりました。
プレゼン中に、次々と想起する内容も、始めに結論を言っているわけですから、適切なものとそうでないものを瞬時に判断できるようになりました。

この本を読んで「スライドに文章を書かない」とか、「ポイントは3点にまとめる」ということを知った。
確かに、PPTスライドをわかりやすく使う人は、どことなくシンプルである。
「何が面白いんだろう」と思いながらも、よくわかるという不思議な現象は、このあたりの「しかけ」なのかもしれない。


おすすめ度:★★★★★(手軽で効果的。ビジネスマンから学者まで、社会人全般におすすめ)

2009年9月21日月曜日

ドラマ:官僚達の夏

骨のあるドラマでした。
毎回、ジーンと考えさせるエピソードが込められていて、久々に次が待ち遠しいドラマでした。

率直に、通産省(現:経済産業省)って何をやっているのか、ピンとこなかったのですが、日本の経済全体の指針を定め、具体的な法律の制定に深く関与していることを知る。
グローバル化しつつある時代を描いているため、日米安保や領土問題等、外交における案件が、上位の課題として描かれる。
現在においても、具体的な内容は違えど、外交交渉が日本の産業に大きな影響を与えているのは、紛れもない事実である。

そんな第一線の現場で、公のために身を挺して勤務する官僚達の、いわばかっこいいところを見事に描いている。
組織、それも公務員の人事という生々しいやりとりが物語の中核を占めていたりするのだけれども、組織としての合理性と個人の信念とが交錯するあたり、何がいいとか悪いという価値判断ではなく、ある事象をどう見て、どう判断するかによって、方針そのものが変わる現場に生きる官僚達の生き様を、一方では派手に、そしてある側面では地味に、よりリアリティをもたせて描いていたように思えた。

おそらく、賛否両論のドラマかと思われるが、最終回の風越のセリフ「日本はどうなってしまうんだろうなぁ」は、原作にはなく、おそらく現代の日本にあてたメッセージなのだろうと推測する。

2009年9月18日金曜日

おとうさんといっしょ

こども番組はいくつもあるけれど、NHK教育はとても優秀な番組を
作っているなぁと。
大御所「おかあさんといっしょ」は、もちろんおとうさんと観てもいいわ
けで、「いないいないばぁ」と双頭をなしているわけであります。

言葉をどこまで理解してるのかはわからないけれども、ポップな歌には反
応する我が娘。「モノランモノラン」(注:我々の世代では
「にこにこぷん」に相当)への反応は鈍いのに、「ぱわわぷたいそ
う」(注:中西圭三が高らかに唄いあげる体操の歌。たいそう
のよしおにいさんの身体のキレに注目)が始まると、泣いていても
ゴキゲンに。

どちらかといえば、寸劇もちょっと意味の込められた「おかあさんといっ
しょ」よりも、ワイワイガヤガヤな「いないいないばぁ」の方が反応がい
い。うーたんが「きゃははは」と声をあげていると、娘も「あー」と声を
出したり。
日々成長してるなぁ。

そんな生活を続けていると、聴くCDも子ども向けに。前述した中西
圭三。「Woman」とか「Ticket to Paradice」などの名曲を
世に出したIyokiyehaが好きなアーティストの一人なんですが、今
や彼の代表曲といえば「ぱわわぷたいそう」と「ぼよよーんこうしんきょ
く」へと更新されています。

ぱわわぷたいそうを全力で踊りまくって、筋肉痛になる
Iyokiyeha。
そんな自分も、嫌いじゃないこの頃。

2009年8月31日月曜日

森岡正博『最後の恋は草食系男子が持ってくる』マガジンハウス、2009年。

このブログでも「生命学」でおなじみ、森岡氏による「草食系男子」論。
前著『草食系男子の恋愛学』では、いわゆる「草食系」と呼ばれる男性が近年注目されているということを論じていた。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/08/2008_12.html
(2008年8月12日投稿分)

販促の帯には「優しくて誠実、浮気はしない。結婚するなら草食系男子!」などと書かれているが、いわゆる「ガツガツしない」男性に関して、インタビューを交え説明している。
昨年あたりから注目されるようになった「草食系」であるが、その描かれ方は様々で、説明のされ方によってはかなり「頼りない」ような印象が込められてしまっているものも週刊誌などでは時折目にする。
森岡氏は、個人差はあるとして、いわゆる一般的に言われる「男性像」とは異なる「草食系」の男性達の具体的な生活様式や行動傾向、思考の傾向について、事例を丁寧にひきながら説明している。
どちらかといえば、「草食系」の男性とうまく関わっていきたいと思っている女性向けの書籍のように思われる。

読めば読むほど、Iyokiyehaは自分が「草食系」なんだろうなぁと感じる。
別に弁当は作らないし、主導的に関わらないというわけでもないのだが、いわゆる「草食系」の人と接する(特に異性とのかかわり)際の感じ方、考え方は、共感するところが大きい。
よく言われる「男とは」みたいなこと(「据え膳食わぬは・・・」みたいなやつ)には、結構違和感を持っているIyokiyehaとしては、「よく説明してくれた!こんなヤツもいるんだぜ!」といった思いがある。

ここまで共感しなくても、現代を生きる男性をもう少し詳しく理解したいと思っている人には、軽く読める割には学びの大きな書籍だと思う。


おすすめ度:★★★★☆(誰にでもおすすめです)

粛々と月末

一週間のPSWスクーリングを終え、課題レポートもなんとなく仕上げたので、何ヶ月ぶりかのぐうたら休日。

たまには悪くない。

引越し当初から気になっていた、書棚周りを片付け、ようやくモバイル勉強環境が整備できつつあります。無線LANの整備や、書棚の整理、机は食卓を使うことで、ギリギリまで省スペース。隙間時間の活用がますます加速しそうです。

金曜日。

学生時代にお世話になった恩師の一人から着信。

「おー、珍しい」と思いつつ、電話に出ると第一声、

Iyokiyeha君、19時に新橋に集合ということになったから」

2年半前の私の結婚式に参加していただいて以来会っていないのにも関わらず、相変わらずな先生です。

私もこの間、仕事するようになり、結婚して、子どももできたということで、少しだけステージが違う話ができたかなと。

Iyokiyeha君も出馬せんとな」

くらいのことを言われ、冗談と思っていたので茶化しました。

某市議が国政へと行ったら、ということなんでしょうが、なかなか面白かったです。

全く可能性ゼロということにはせずに、私自身の周りにそういう風が吹いてきたら、勉強してみてその時考えます。

日曜日。

娘とバカみたいに遊びつつ、選挙速報。

世の中は激震かと思うほどの変化が起きている。

「マスコミが煽りすぎた」と、私の感覚と報道とを一致させて感想を言うことは、あまりに簡単だし、「民主党お手並み拝見」なんて言ってしまうのも、それほど難しくない。

ただ、個人的な感想としては、「どこが政権をとろうが、信念を貫いて政治の仕事をして欲しい」ということだけである。

民主党政権、どうなるのかという楽しみと、これまで政界であまり活躍の場がなかった、優秀な人達の活躍が見られることが楽しみとが同居した感覚を味わっている。

勤務している組織に、自分の知らない「終わり」があるのならば、その日はまた5年くらい縮まったのだろうが、まぁそのあたりはその時にならないとわからないこと。

私がすべきことは、万が一の失業となっても家族を食べさせていくだけの腕と人脈を作っておくことだと、改めて確認する。

柳井正『一勝九敗』新潮文庫、2006年。

ユニクロでご存知、ファーストリテイリングの柳井会長兼CEOが、2003年頃までの同社の沿革を、柳井氏の経営理念とともに語った著書。

前衛的な経営が店舗運営にも反映されているようにも思われる同社の経営、運営方針から、一社会人として学ぶことも多い。

柳井氏とファーストリテイリングのこれまでの経緯全体を読んで感じたことは、「試行錯誤」を徹底してやっていくのであれば、スピード感と何が何でもやってやろうとする執念というか、強い意志が不可欠であるということ。

のんびりと失敗、再検討を繰り返していたら、それこそぬるま湯の蛙のように、いつの間にか煮立っていることに気づかず、事業で言えば沈没-整理という一路をたどることになる。

自らの仕事も同様。可能なところで、如何にスピード感を保つか、意志と情勢を如何に調整させていくのか、ということが、現代を生き残る上で不可欠な要素であるかということを改めて確認できた。

いくつか気になる点(ドッグイヤー的に)は以下の通り。引用含みます。

・試行錯誤の土台は、スピードとがむしゃらさ。とにかくスピードが要求され、常時リストラ(再構築の原意で)、失敗した場合の「即時撤退」が鍵。

・広告宣伝は、0か100かの評価。ほどよい、はありえない。広告を見る人を信頼し、「伝える」のではなく「伝わる」表現方法を、コンセプトを解釈した上で、自由な発想で考える。代理店に丸投げするのではなく、広告主がクリエイターに「伝える」ことを怠ってはいけない。

・「店長でいる」ことが最終目標。店長はスタートでありゴールである。顧客の最前線で店舗を運営する。本部の意向をくんで、逐一本部の指示を仰ぎ、マニュアルをこなすのではなく、現場の意向を本部の方針に反映させるために、優秀な店長が現場にいることが大切。

ユニクロの広告戦略は、最近本当に「上手い」と思うところであるけれど、長年通じて積み重ねられた経験の賜物であることを実感できた。

「伝える」も大切だけれども、「伝わる」ことが最も大切であること。

そして、自分が伝えたとおりに「伝わる」かどうかは、かなり差があること。

広告戦略とはいえ、自らのカウンセリングにおいても、いかに「伝える」かと同時に、どう「伝わる」のかということを意識したやりとりが実は大切なんじゃないか、今までやっていて感じることのあった「違和感」は、ひょっとしたらこういうところ(要は、私が伝えたと思っていて、相手を観察した伝わったと思っていることが、実は相手にしてみたら私の意図とは違うように伝わっていた、という状況)にあるのではないかと、経験を再検討するきっかけになった。

あとは、現場主義。

この感覚だけは、私が今後どんな立場になっても忘れないようにしようと、再確認できた。

「立場上」ということを、感じ、場合によっては言う必要もでてくることがあるかもしれないけれども、現場で何が起こっているのか、最前線では何がトピックなのか、ということをできれば自ら体験するくらいの意欲をもって、現場に対峙していきたいと思った。


おすすめ度:★★★★☆(働いている人におすすめ)

2009年8月26日水曜日

内橋克人『共生の大地 ――新しい経済が始まる』岩波新書(新赤版381)、1995年。

今読んでも、全く色褪せない新書。

こういう本を名著と言うのだろう。

利益を追求してきた高度経済成長期を経て、バブル崩壊、再期をかけて社会のあらゆる人達が奮闘していた時期に、経済的な利益だけではなく、安い言葉かもしれないが、世のため人のため後世のために奮闘していた組織とそれを構成していた人達の記録である。

内橋氏は「多元的経済社会」という言葉を使いつつ、行政、政治主導の地域活動ではなく、企業や企業人の有志、果ては今では特に珍しくないが、市民活動に触れ、そこに多様な価値を見出していく。真の問題解決とは何か、よりよく暮らすとはどういうことかといったことについて、淡々と事例をおいながら考えさせる。

NPOを名乗る、行政の出先機関と化した団体も少なくない昨今、非営利活動とは一体何なのか、その本質や醍醐味、価値を、統計や数的データではない手法で見事にあぶり出している。

出版されてから既に15年くらいになる新書。

実はIyokiyehaの書棚にも学生の頃から並んでいた。

お世話になっていた、ある先生から「これは読んでおけ」と十回以上言われていて、なかなか読破できなかった本でもある。当時は紐解いたのだけれども、その面白さや迫力に気づけず、何度も延期扱いになった記念すべき書籍でもある。

当人がこのブログを見ているかどうかは分かりませんが、一応、報告も兼ねて。

専門書、ではないけれど、書籍としての成果は大きい、インパクトのある読み物だった。

社会人として、公的機関に所属する立場となったから、また違う読み方ができて、一気に読みきれたのかもしれない。

この迫力は、学生にもひよっこ社会人にも、ベテラン社会人にも味わってもらいたいものである。

おすすめ度:★★★★★(誰にでもおすすめ。言葉がわからなくても読み進めることをおすすめします)

2009年8月23日日曜日

富士見といふ田舎

東京在住の方はもちろん、埼玉在住の方もあまりご存知ない富士見市。
東武東上線は鶴瀬駅です。

写真は、自宅近所の大通り。
結構、のどかです。

2009年8月16日日曜日

Og Mandino "THE Twelfth Angel" Fawcett Columbine, NY, 1993. (邦訳:オグ・マンディーノ『十二番目の天使』求龍堂、2001年。

I read this book three times.
First I read in Japanese, when I was student of University.
Second I read in Japanese with my nephew. Kids version.
And third(this time),I read in English.

It's very nice and positive story.
Timothy says "Day by day in every way I'm getting better and better!" and "Never never never never never never give up!".
They are simple word but storng and full of energy in them.
Every time I read, I was impressed.

John was about to kill himself when his wife and son was gone.
At that time, old friend came John's home.
He gave an introduction to little league corch.
John met Timoty Noble at this team.

He is not good player.
He had have no hit(single or double or so) in every game.
But Timothy is very very positive.

I'm moved by this story.
I recommend this book everyone.

2009年8月15日土曜日

婚活と選挙

何だか、「婚活(コンカツ)」がブームである。
山田昌弘氏(中央大学)の、見事なネーミングにより、あらゆるメディアで取り上げられ、ドラマ化までされている。
少子化対策とセットで語られることが多いこの話題、率直に「どうなんだろう?」と思えることも少なくない。

晩婚化の理由には、様々な理由があり、社会的インフラ整備に起因するものも少なくないのは事実である。
例えば、家族を養うだけの収入が20代で得られるか、父親がどれくらい育児に参加できるか、嫁さんを如何に孤立させないか、など、男視点であれ
ばIyokiyehaが語れることもたくさんある。

例えば、婚活においてある女性が求める条件として、
東京在住
適齢期、独身
年収600万円
とか言うらしい。

腹が立つとかいう以前に、滑稽である。

果たして条件に当てはまる男性が何人いるのか?
ある調査では、4%とのこと。
男性としてのIyokiyehaに言わせれば、4%に見合う人なのか?ということである。
自分を変えようとせずに、要求だけを突きつける人が「自分に『合う』」と勝手に思い込んでいる人を漁っているだけにしか見えない。

中国や韓国でも婚活はブームらしい。
どうやら、当人達は「忙しい」ことを理由に、親御さんが講演で子どもの写真を広げて「婚活」しているらしいのだけど。

本末転倒みたいに思える。

我が国では、ブームに乗ろうとしているのか、少子化対策と合わせてこの「婚活」を後押しする動きもあるらしい。
以前から、地方の山間部で、嫁の貰い手のない農家の人との出会いを作ろうと、行政が予算をつけてお見合いパーティーなどをすることがあったらしい。
それと同列で論じられるのか?

何でこんなこと書いたかって言うと、国をあげて「婚活」を促進するかのような動きが垣間見えるからです。
だから、こんな茶番に予算つけようとするなってことです。
どこの政党の政治家とは言わないけど。
色々見えるもんだね、選挙って。
あほらし。

何だかんだ言っても、今はお盆休み真っ盛り。
通勤電車も空いている。
昨日は、初めて東上線で座れました。

「盆と正月は、暇だから勤務するのもいいかも」なんて言われる。
実際勤務してみて感じること。
盆休み→出勤する人が少ない→限られた仕事が回ってくる→結果として普段とあまり変わらない。
こんな感じだろうか。

多分、お盆以外の時の方が、全体としての依頼は多いのだろうが、その限られた依頼を一挙に引き受けざるを得ない状況におかれることで、結局はやろうと思っていたことに全く手がつかない。

来年以降は気をつけよう。
「あんまり変わらないよ」と。

2009年8月8日土曜日

SSTが好き

SSTとは、精神保健福祉の分野の知識のある人にはピンとくるプログラムであるが、Social Skills Training(社会生活技能訓練)の略である。

先日、職場が主催する講習会で、会社で働く人を対象にSSTを紹介するという、面白い試みに立会った。

私と同じ職制の職員が実施するSSTを複数見る機会はなかなかないので、実に興味深い経験だった。

以前は、カタチばかりが強調されるプログラムのように感じていた(そういう説明を受けた)ので、あまり好きじゃなかったのだけれども、自分でやってみて、勉強を重ねてみて、今では結構好きなプログラムである。

セッションを担当するのも好きだし、楽しいし、何より「その人の中に『よい循環』を創る手伝いをする」という、自分の中でプログラムの目的に一本芯を見出せたことが大きい。

事業所の人事担当者がSSTを体験し、SST「から」学べることとして、例えば、

・褒める=いいところを見出す

・パスあり=逃げ道(フォロー)を大切に

・繰り返し練習=トライ&エラーはあたりまえ

・評価-介入-振り返り=PDCAサイクルと連動

など、別に障がいを持つ人との接し方だけでなく、部下を持つ上司として「人を育てる(訓練プログラムだから)」視点が強調されているだけのことだということを、私見として説明した。

指導方法を磨くことも大切だけれども、事業所の人事担当者や、支援者としての我々も含め、このクライアント(障がいを持つ人、事業主双方)の中に「よい循環を創る」視点は、今の業務の質を乗り越えていく一つのきっかけになると思う。

ただ、まぁ、私が意外とSST好きで、テンションが上がったためにその場で思いついた「こぎつけ」の部分が大きいわけだが、結構面白くない?

Front Mission

私の仕事を一言で言えば「職場適応援助」ということになる。

広くは、就労支援とか雇用支援などという言葉が一般的かつ法律用語にもなっているのだけれども、普段の仕事を振り返ってみると、職場で(対象となる人と職場)の適応を援助する、という方がしっくりとくる。

山梨勤務の最後の半年から、今の東京勤務で「ジョブコーチ事業」の担当として、ジョブコーチを派遣して実施する援助活動を担当しているわけだが、この仕事をしていると、本当に「最前線」で指揮をとる自分がいることを意識させられる。

最近の軍隊の様子はよく知らないのだが、ちょっと前の戦争映画だと「軍曹」に当たる指揮官だろうか。

一般兵を数人率いて、戦線の最前線で泥にまみれながら任務を遂行する。

なんか、東京での仕事は、見た目こそスタイリッシュに見えても、内実はこんな最前線活動のような気がするこの頃である。

会うたびに言うことがコロコロ変わる事業所の担当者と話をしてきたジョブコーチが、「Iyokiyehaさんの悪口というか、不満を言っていましたよ」なんて、うろたえて報告してきても、最近はうろたえることなく、「何て言ってたんですか?」と冷静に。

仕事を辞めたいだとか、無断欠勤とか、事業所の担当者への不満など、起こることを挙げていったらキリがない。

だからといって、感情を殺しているのではなく、あくまで冷静に。

腹の中は「何だこのやろう!」と熱くなっていても、頭は常にクールに。

何事でも最前線では、原則から外れることだって起こりうる。

状況に応じて、時には「ありえない」ことだってやらざるを得ないこともある。

そんな時に、クールでいなければならないのは、「ありえない」中でも「まずい」ことには手を出さず、出させないよう、行動と指揮を調整する必要があると思うから。

最近は、とにかく変数が多い仕事が多いので、できるだけクールに分析してその場その場の判断の精度を上げようとしているのだけれども、時に「Iyokiyehaさんの言うことは、前と違う」などと詰め寄られることもあり、なぜか内側の人間に向かって「なんだこのやろう!」と腹の中が煮えたぎることもあり、無益。

おそらく、Iyokiyehaが理想としている前線指揮官のイメージは、ものすごくストレスフルな方法で、かつ共有されていない人とは、決して相容れることがない、見る人によっては「考え方がコロコロ変わる」と思われることなんだろうと思う。

だから、所内でも語らないといけないし、グサリと突き刺さる言葉もぐっと飲み込んで指示を出す必要もあるのだろう。

「誰のために、何のために」やっている仕事なのかということを忘れたらいけないと、切に思う。

マルコム・グラッドウェル著、勝間和代訳『天才! 成功する人々の法則』講談社、2009年。

久々に、がっつりと読み応えのある、面白い本だった。

いわゆる「成功者」の成功の秘訣を、その人の能力だけでなく、その人がおかれた生活環境や、文化などの影響に注目し、豊富な事例をもって説明している。

書籍紹介などで、引き合いに出されるのは、アイスホッケーのプロ選手に1~3月生まれが多いこと。

幼い頃の一年の差は大きく、「少しだけ」優位に立った子どもが、いいポジションやレギュラーを勝ち取っていく。

その結果、スキルを磨く機会にも恵まれることになり、結果としてプロ選手への道もひらけてくる。

グラッドウェルは、こうした「機会」に注目することと、「10000時間の法則」としての、努力や取組みの重要性を合わせて主張している。

面白いのは、いわゆる「天才」と呼ばれる人たちを、「生まれつきの才能を持った、特殊な存在」として「のみ」扱うのではなく、その育った背景やブレイクスルーの機会、努力の時間など、論述可能な「見えるカタチ」で記述している点である。

一方で、IQ180の能力を持つ人の非成功例をあげ、人と関わることによって生まれる機会や、人と関わることによってのみ磨かれる力などについても言及している。

久々に読み応えのある本だが、論文とは少し違う色合いだったのも事実。

おそらく、統計手法やデータにはつっこみどころもあるのだろう(私は専門家でないので、特に気にはならないが)。

しかし、細部をつつきながら読むよりも、もっと大胆に、「天才」と一言で言ったときのラベルのパラダイムを転換する意味でも、努力の方法や成果をふりかえるためにも、参考となる一冊だと思う。

おすすめ度:★★★★★(どんな人にもおすすめです)