2023年7月17日月曜日

最近思ったこと

 ■体術のイメージトレーニング 230717

 合気道のお稽古を再開して、大体半年。月末に昇級審査を受けることにして、お稽古を重ねてきたところだが、今週(昨日)は道場がお休み、来週は私が帰省するために欠席、で、月末が審査である。困ったことに本番まで合わせるタイミングがないため、次善の策、DVDを観てイメージトレーニングすることを繰り返している。多少は上達するのだろうか?疑問はあるけれども、前進し続けるしかない。今回の審査は、私のためではあるのだけれども、仕手・受けを組むパートナーさんの審査も兼ねているので、いい加減なことはできない。攻めて技の名前と動作は一致させておかないとな。


■休息 230715

 ここのところ、本当にめまぐるしくいろいろなことが並行して動いているため、週末になるとほっとする。とはいえ、朝からジョギングに出るので、心地よい疲れで脱力していくのだけれども。でも、この思考の空白が、なによりも休息になるようにも思う。いろんなことをオーバースペックで考え続け、動き続ける状態よりも、頭の回転が鈍って特に並行思考をする必要もなく、やることがはっきりしているスケジュールで動く、というのは、判断がない分頭が楽になる。頭が楽になると、身体も楽になる。おそらくそういう関係だ。

 積極的に何もやらない=休み、というわけではなく、予定通りに動く安心感というのも、頭にとってはいい休息になるのだと思った一日だった。昼間にカミさんと買い物に出て、夕食当番だったわけだけれども。


■前向き仕事 230713

 何というか、自分の意志ではない何らかの力で動き出すことがある。とはいえ、それらが「やらされ」感の有無というのは大きい。細かいことはさておいても、自分が後回しにしようと思っていたことが、管理職の一言で随分変わってくる。「これはやった方がいい」「やろう」というように決まったことは、疲れていても「いっちょやってやっか!」と思えるようになる。


■人間ドック-Complete physical 230712

 こんな忙しい時期とは予測もできず、人間ドックの日を迎える。昨晩はもっと早く帰る予定だったのに、食事制限ギリギリに帰宅することになる。今日は朝から猛暑日で、会場にたどり着くまでに汗びっしょりになる。これは運動カウントされてしまうのか?

 体重が若干減少傾向、それに伴い腹囲も減少。39歳の時に発覚したポリープのあたりは結果待ち。視力は低下しているみたい。血圧は低め維持。どうやら、午前中最後の受付だったようで、スタッフさんがみんな優しかったというおまけ付き。バリウム検査は技師さんが気さくに指示を出す、心電図も「冷たいですよ~、もっと冷たいですよ~、ひやっとしますよ~、とびあがりますよ~」と場を和らげてくれる。技師さんがちょっときれいな感じでドキドキしてしまったエコー検査では、心地よい指示出しに思わず寝てしまう。

 いつも、なんとなく検便から採血など、嫌なイメージがつきまとう人間ドックだけど、まぁ非日常を楽しむと思えば、それもまた楽しみだと。これも経験、こころの持ちようか、と思った次第でした。


■人をけなすこと、煽ること、それが当たり前になること 230711

 何か楽しげに話をしている人たちの、話題が聞こえてきて急に冷めるということがある。ゲラゲラと笑っているけれども、話題は目の前にいる人を少しずつけなして笑っていたり、その場にいない人の言動をネタにバカ笑いをしたり、それを煽って大げさにしたり、同じ話を何度もしたりと、そういうことに気づいてしまうと、途端にさめてしまう。私の場合は、そっとその場から距離をとるようにしている。


2023年7月9日日曜日

最近思うこと 230709まで

 ■以前お世話になったのは、20年前! 230709

 先日、息子が中学校の自然体験活動に行った。宿泊訓練というやつですね。まぁ、反抗期真っ盛りの声変わりもはじまり、正直すでにあまりかわいくない息子ですが、年月は経って大きくなったものだとなんとなく感慨にふけっていた時の出来事。

 「どうだった?」みたいな話を聞いたときに、「しおり」を見せてもらい、1日目のプラグラムに「チームビルディング ホールアース」なんて書いてあって、ピンと。何をしたのか聞いたところ、いわゆるアイスブレイクとチーム活動で、あぁ、なるほどと。私が学生時代に取り組んで、まとめて、今でも折りに触れて意識している体験活動サイクルなんかにも通じる内容だったわけで。その実施が「ホールアース」で、場所が山梨県、なんていったら、私が以前大変お世話になったホールアース自然学校か、清里か大学校くらいなわけで。

 さっそく、今の代表(当時の代表の奥さん)に連絡をとってみたのだけれども、そのメールを作成していて「20年!」と思ったわけです。若い頃って、つい最近みたいな感覚だったのにね。大学へ行っても、将来何をやってみるのか踏み出せず、なんとなく大学院へ進んだものの、就職活動と継続していた課外活動とで、研究に舵を切るわけでもなく、要領の悪さも手伝って、なんかいろんなことが中途半端だった頃に、刺激と仲間と新鮮な体験を求めて通っていたのが、ホールアース自然学校でした。確か21歳~23歳くらいまで、バイクで通っていたのを思い出すと、なんだか20年という年月があっという間に感じる瞬間もあり、不思議な感覚です。当時は、将来地方公務員になっていて、子どもが3人もいる、なんてイメージもありませんでしたし、野外活動のトレーニングを受けていた頃は、障害者支援の専門職として腕を磨いている自分のイメージなんか、これっぽっちもなかったですからね。人生って不思議なものです。何がきっかけになるかなんて、過ぎ去ってから物語にしたときにようやく感じられることもある、くらいのことで、ほとんどの場合は「よくわからない」んだよね、まして「今が人生の転機だ!」なんて瞬間を感じられる人って、それこそコーリングとか啓示とか、神様とかそういう領域であって、そんなものがなくても人生は変わっていくし、進んでいくのだと、改めて感じた出来事でした。

 要は、何がきっかけになって、何が自分に影響するかなんて、後にならないとわからないものだということ。なら、何でもきっかけになりうるし、何でも自分に影響するって思っていた方が気が楽だよね。エネルギーが枯れない程度に、いろんなことを感じて、いろんな体験をしたいものだと、20年ぶりに意識して改めて感じた出来事でした。また、行けるといいな、柚野の里。


ホールアース自然学校 https://wens.gr.jp/


■切り抜けた感 230707

 金曜日は、終われば明日は休み、という緊張感の緩みが出る。


■頭が何も受け付けなくなる状態 230706

 十中八九寝不足なのだろう。昼食後は動けなくなる、やはり、眠い。早く寝よう。


■中学生男子のスマホ 230705

 長男(中学1年生)のテストの結果が悪く、カミさん曰く「約束通り、スマホはリビングで使うことにするから、今すぐ持ってきなさい」とのこと。持ってくるわけがない。数分して「あなたが言ってきて」。まぁ、それなりに注意をして「今すぐ出すか、10分以内に持ってくるか」選ばせたら後者。15分後、持ってこず。想定内。部屋に行くと、廊下にスマホをうち捨て寝ている。まぁ、二言言って退散。スマホを見たカミさんが「パスワードかけやがって」と行ってしまう。口論。あちゃ~。

 ナメた態度をとっているのも、陰でコソコソやっているのも知っているけど、逐一言わないのが親の務めくらいに思っている私の行動は、カミさんには気にくわないらしい。とはいえ「パスワード外しなさい」「わすれた」の問答に意味があるとも思えず。自分なら、目の前で工場出荷前初期化をかけるか、解約するかな、と思っているが、カミさんはそこまでにはしない模様。まぁ、母親のあり方と私の考え方は違ってもしょうがない。

 愚息の言動を見ていて思うのが、小学生からの友達とゲームのガチャのことで盛り上がること、クラスメイトの女の子にどーでもいいちょっかいを出すこと、下ネタで盛り上がること、エロ動画をみること、テレビを見ること、動画サイトを見ること、踊ること、騒ぐこと、くらいは、全部大体並列なんだな、ということ。カミさんはそこに優劣つけたがるけど、自分の経験を踏まえると、大体これくらいは同じなんだろうなと思う。いや、今の自分はあるていど線引きしているけどね。だから、多分何言っても空回りにはなるだろうし、こちらが伝えたいことも曲解するし、そもそも聞いていないし。それでも言い続けることは大事だけど、そこに過度な期待はしてはいけない、裏切り必至、なんだろうな、と思う。

 人によっては、こういう態度も「無関心過ぎる」とか言うのだろうけど、そんなのは関係ない。愛情の持ち方も人それぞれ。私は、どんなに愛想を尽かしても、多分見捨てることはないだろうな、と自信のない確信はある。


■7月4日 230704

 アメリカでは独立記念日らしい。クリスマスと並ぶイベントウィークとかラジオで言っていた。そういうものなのか。

 最近は天気が悪い日が続く。梅雨の時期特有の気圧・天気の変化に伴う頭痛もひどい。これってば、自分の身体のことだから、付き合っていくしかないんだけど、思考が止まるほどの頭痛は、どうにもならん。最近は頭痛薬が役に立つことがわかってきた。


■エアコンの効能 230703

 日曜日の晩は合気道の時間。所沢興武館は、一旦サークル活動になってから、だんだん復帰に向けた準備にはいっています。私は今年1月の一粒万倍日に復帰を宣言して、早半年。いよいよ3級審査に挑戦します。

 この週末は、市民武道館が借りられなかったことと、活動再開も視野に、元々活動場所として使わせてもらっていた幼稚園のホールでお稽古。市民武道館にはないエアコンがついている。少し窓を開けて、でもエアコンを入れてお稽古したのですが、身体がうんと楽になった。以前は、エアコンの効いた部屋に長時間いるとだるさを感じたものだが、今ではエアコン=悪と決めてしまうとも少しナンセンスだと思う。


■週末の出来事と思ったこと・考えたこと 230702

 週末の朝はジョギングかウォーキングに出る。外出時に、ラジオやAudiobookを利用することが多いですが、この時間は何も聴かず、ただただ身体を動かすことにしている。普段使わない道での発見や、季節の変化、神社の様子、鳥なんかを見たり、朝の静かな雰囲気をなんとなく感じ取る時間にもなっている。おかげで、体調維持のいい取り組みになっている。

 二羽の鳥がじゃれあうようにして(喧嘩しているのかもしれませんが)飛んでいるのを見ると、随分前にプレイステーションにあったAcecombatというゲームを思い出す。戦闘機シュミレーションなんだけど、この第3作だったかな「エレクトロスフィア」と副題がついているのに学生時代にどハマリしたのを思い出す。鳥の動きがドックファイトのそれに似ているように見えたからという連想ゲームでしかないのだけれども。このゲームの世界観がちょっと独特で、すごく引き込まれた。あるエースパイロットはヒトとしての実体のないプログラミングによって「造られた」ものであるとか、そういう振興勢力として政府と戦う立場に立つ他、正規軍として戦う選択肢があったり、そのカウンターパートとなりうる立場になったり、一緒に戦う仲間を選ぶことで物語が分岐していく様子が、シナリオを立体的に見せるような気がして、ついつい寝る間を惜しんでやっていたことを思い出す。なんで鳥が飛んでいるのを見てそういう記憶がたぐりよせられたかは疑問。

 合気道の審査稽古、突貫工事。

・既定技(座り技片手持ち二ヵ条抑え(一)、正面打ち四ヵ条抑え(二)、正面打ち小手返し(一))

・正面打ち四ヵ条抑え(一)

・横面打ち四ヵ条抑え(一)(二)

・片手持ち側面入身投げ(一)(二)

・横面打ち側面入身投げ(一)(二)

・正面打ち正面入り身投げ(一)(二)

・横面打ち正面入り身投げ(一)(二)

・正面打ち肘締め(一)(二)

 とりあえず覚えること。それからはお稽古で精度を高めていく。


2023年7月1日土曜日

近藤史恵『タルト・タタンの夢』東京創元社。Audiobook版

  フレンチレストランで繰り広げられるちょっとしたミステリー小説。人は死なないし、三船シェフの推理とその顛末が明るいので、聴いていてちょっといい気分になれる軽い読み物。レストランの4人が、それぞれに個性的で、やりとりの中にも明るい雰囲気があるのがいいです。

 日々、ストレスフルな環境に身を置いていると、帰宅時のこういうライトで明るい読み物は、すり減ったこころにすーっと入っていきます。

アイヌ民話撰集企画編集委員会監修『イソイタク1 アイヌの昔語 フキノトウになった女の子』アイヌ文化振興・研究推進機構、2014年。

  図書館シリーズ。アイヌの物語を読むのは初めてですが、伝承物っていうのはなかなか奥が深く難解。それでいて、日本語で表現しきれない言葉(おそらくアイヌの言葉)が含まれるので、読んでいて?と思うことはある。

 とはいえ、家族、一族を大切にするということや、ずるいことをすると自分の身に悪いことがふりかかる、なんていうことは、他の伝承と大差はないのだということにも気づかされる。文化とは、その土地の自然環境も大きく関わってくる。きっと今の北海道という、寒い土地で人々が助け合って暮らすための知恵やルールが物語となって伝わっているのだろう。


はせがわゆうじ『もうじきたべられるぼく』中央公論新社、2022年。

  図書館シリーズ。予約してから4ヶ月くらい待ちました。いろんな人が読んでいるものと思われます。

 あらすじは、もうじき肉牛として出荷される「ぼく」が、お母さんに育てられた牧場へ行って考えるお話。悲しませるためにきたんじゃない、と自分に言いきかせるところ。せめていのちを大切にしてほしい、といったメッセージ。世の中の事実を語りながらも、個と公が交錯してゆらぐ意志を表現しているとでも言うか、私にはなかなか読ませる絵本に思えました。

 いろんなご意見もあるようで、賛否両論?と言われているようですが、どうあれ、感じたままでいいんじゃないかな、と思いました。邪推は要らんだろう。こどもにも様々な感情が伝わるのではないかと思える名絵本だと思います。ただ、動物の死という現実をつきつける側面はあるので、人によってインパクトはあるかもしれません。


齋藤孝『1冊読み切る読書術』ダイヤモンド社、2019年。(Audiobook版2020年。)

  いろんな形の「読み切り」がある。割り切り、というといろんな意味が入り込んでしまうが、その本から自分の役に立つことを選びとる、という発想の転換が、読書の質を高めることに気づかせてくれる。こういう読書もありなのだな、と自分のデスクに積んである本を観て思うところである。図書館で借りてきた本とか、まずはこういうことでいいのだな、と思った。

 Iyokiyehaはいろんな情報源を取り入れつつ(Audiobook含め、特に音声コンテンツ)も、やはりアカデミズムなところがあるので、このご時世に読書の有用性を説き続ける齋藤氏の姿勢には共感する。

 毎日数冊に目を通しているらしい著者には到底追いつかないまでも、仕事に家事に追われる中で、少しずつでも読書の時間は確保したいと思っています。そんな人にはたくさんのヒントが詰まった1冊です。「全部読み切らなくてもいい」「要所をつかめば充分」「抜き書き」「アウトプットの効用」など、要は「本の内容を覚えておく」のではなく「本から学ぶ」ことの技術を様々な角度から紹介しています。一つでも取り入れられれば、読書ライフがより効果的なものになる知恵袋のような1冊でした。

加藤アカネ『ANAのVIP担当者に代々伝わる言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方』サンマーク出版、2016年。(Audiobook版2019年。)

  Kindle版・書籍の購入へ移行。

 話し方、伝え方の本として紹介されていたが、人と人との間を取り持つための考え方、心構え、そしてそのスキルの一旦が紹介されている。大変参考になった。

佐藤義典『実践マーケティング思考』日本能率協会マネジメントセンター、2009年。(Audiobook版2019年。)

  書籍版へ移行。

 これは、きちんと読まないと身につかないものだと思った。とはいえ、マーケティングにおける、ターゲットの絞り込みや、足し算の発想、引き算の発想など、おそらく今まであまり意識してこなかったことが、体系化されている。きちんと読んでみることにする。

外山滋比古『こうやって、考える。』PHP研究所。(Audiobook版2021年。)

  考え方に関する発想を豊かにする一冊。『思考の整理学』が有名な著者ですが、自由に、発想豊かに、思考を広げたり深めたりするコツを、外山氏の著書から引用して一冊にしたもの。この手の名言集みたいなものって、文脈が分からないと、意味が読み切れないものも多い中で、外山節は単体でもわかりやすいものが多いように思えた。日本語で思考して表現したものを、更に凝縮して発表する、純な学者ならではの仕事って、こういうものなのかもしれない。

最近考えたこと 230701まで

 ■いろいろあった二週間 230701

 結局、この4月に異動してきた先輩(にあたる人)が、職場復帰できなくなってしまった。ただこのことはこれで幕切れなんじゃなくて、所属が空席1で今年度の事業を継続しないといけないという現実を、みんな意識しながら考えないようにしているのが現状です。公言し始めていますが「努めて明るく」は、今の自分を鼓舞しつつ、自分の管下の士気の維持・向上を図るスローガンです。今は雰囲気だけでも明るくしておかないと、細部のほころび、被弾、問題の先送りなんかはある程度包含しておかないとやってられない状態だと思う。テンションを緩めたいけど、それがかなわない以上、張り詰めた糸を切れないようにするのが、今年度のミッションだと思う。自分のポジションは、来年度以降のことも多少考えながら運営に手を出し、口を出すわけだけど、今年はその比重を少し落として、来年度上期を見据えるくらいになってしまうかな、と思う。

 昨晩は、部内の懇親会なるものに参加する。こういう集まり、儀式的なものは長年敬遠していたのだけれども、年単位のバイオリズム的な流れがゴーサインを出し始め、多分人的環境の良さが自分の中にもいい影響を与えているのだろう。でなければこの状況で「努めて明るく」なんて言い出せない。やるとなったら面倒だけど、やらされ感じゃなくて突き抜けていいならこういう儀式も悪いもんじゃないな、と思える。大変楽しい集まりだと感じました。 長女は相変わらず。要らん行動は減ってきたけど、余計なことに自分のリソースを使っていることに素直に気づかない・気づけない・気づいていてもやめられない、のが彼女の弱点だな。多分、そこに観念して降りる生き方ができれば、成績はぱーんと上がると思うけど、それに気づくかな。

 長男は、仲間との打ち上げを「焼き肉きんぐ」で行うという身の程知らずをやってのける。席にたどりつけるのか?そもそも小遣いが枯渇しているのに「3,000円ください」と言ってくる神経が分からん。甘やかしてきたツケだな。先日の出来事だけど、マクドナルドに飯食いに行くから1,500円くれ、と言われて「それは高い」と1,000円渡してしまう親の行動は、私にはさっぱり理解できない。「500円でいいんじゃない?」とは言ってみたが、それ以上はカミさんがキレる原因になるだけなので、おいおい言っていくことにする。思うに、他の家庭でも3,000円渡しているのかと思うと、みんな甘やかしすぎだと思う。金がないなら行けないという選択肢を与えるのも親の役目だと思う。毎月利子つけて、金融の怖さを教えてあげようとも思ったけど、手伝いをする条件をつけて「みんなのためになることをする」ことを学ばせてあげようとする。まぁ、これも甘いけど、条件の内「本来やるべきことをやらなかったときに返済額が10円増える」があるので、私の読みでは多分元本が増えていくんだろうなと思います。返済計画ないし、しばらく取り立てはしない方針なので。

 次女は、一丁前に料理をしたがっている。休日にカレーとか煮てくれるのは助かる。まぁ、なんだかんだで確認とか増えるから、結局付きっきりなんだけどね。自発的な取り組みはうれしいよね。


■めまぐるしい二週間 230618

 随分と時間が経つのが早い。仕事の量が多すぎて、考える暇がないというのがすべての元凶かと思ってしまう。

 歓送迎会は、大変有意義な時間になったと思えた。チームの若者は若者らしく楽しんでいて、ベテラン層は落ち着いて楽しんで、いい雰囲気のまま盛り上がった時間だったと感じました。私がもう疲れ果てていて半分寝ていたのですが、それでも心地よいと思えたのは、その雰囲気の良さに起因したのだろう。

 翌二週間はどうしようもない。仕事は多すぎて、考えることも多すぎて、考えることはやることよりも優先されてしまうから、考えるところに時間を割かれると、やらないといけないことが時間外にずれ込む。時間外に作業をすれば効率が悪いから更に疲れる悪循環。いや、困ったものだ。

 先週末は娘たちのチャレンジライブ。長女は5年間くらいの卒業ライブ、次女は2年間の成果発表。長女は更に部活も卒業だったので、大きく解放されたようにも見えるし、そもそも自分ができないことを、子どもたちが膨大な努力の成果で。さらりとやってのけるエレキギターに感動もあり。

 仕事は先週も相変わらず。なんとなく、合気道3級挑戦に火が付いたので、そちらに軸足をずらしつつ仕事に押しつぶされそうになる。他に何かを持っていないと、思考が仕事にひっぱられそうなので、注意しながら、身体を動かすことも意識して。

 昨日17日は、次女と映画『リトルマーメイド』を観に行く。間違いなく寝る、と思っていたのだけれども、あれよあれよと物語に引き込まれてしまった。Facebookにも書いたけど、メッセージを強く感じて、なんというかunityとかintegrateとかなのかなぁ、共生、統合、分裂を融合するといったようなメッセージを強烈にのせて、キャスティングにも反映させたのだろう、と察せられた。いろいろ言われているようだけど、個人的には「面白い」を感じとったらいい、と思う。好みとか「自分にとってのアリエル」とか、思うのは勝手だけど、公共空間に私的思考をさも公共意見のように発するのはいかがなものかと思う。差別関係は、被差別に分けられてしまう人たちの声は丁寧に聴かなきゃいけないけれども、したり顔、専門家面して自分と関係ない主張を繰り返す人たちの品位に疑問はあります。根深い差別構造まで掘り下げられるなら、それは判断保留して冷静に学びたい、と思う。私にとっては、CG含め、違和感なく、シンプルなストーリーに楽しい歌が重なって、子どもと観にいっても大変楽しい時間となりました。


■めまぐるしい一週間 230611

 仕事が忙しくて、日記メモのことも忘れていた。よくないな。

 6/10はそれでも、長女と次女のエレキギターのライブを観に行くことができた。すこし穏やかな気持ちになれる、気分のいい演奏でした。がんばったな、二人とも。

 今日は、合気道突貫工事。3級の技を上から順繰りにやっています。頭も身体も酷使していますが、楽しい。


■歓送迎会 230602

 こういう時間も必要だ。兼務元の人たちと焼き肉を食べに行ってきた。


■年休 230531

 先週末に、ちょっとだけファインプレイができたので、今週やらなきゃいけなかったことが緩んだおかげで、今日はお休みをもらいました。月末なので、残してきたチームのみなさんにはちょっとだけ心配かけるようだけど、ここのところ体調も本調子じゃなかったので、メンテナンスを兼ねて。

 昼食は、ちょっと前から気になっていた「老坊担々麺」へ。コロナ禍の中で開拓した「まさ吉」と姉妹店のような関係らしく、担々麺を中心としたちょっとアレンジ四川料理のお店というコンセプトは共通しているのだけれども、味噌を使ったメニューの多い「まさ吉」と比べると、ラー油を全面に出したメニューが多かったように思います。「大人の担々麺」というちょっとドキドキするおすすめ麺は、辛いだけでなくうまみがしっかりあって、丁寧なおいしさでした。パクチーとの相性は「まさ吉」さんの担々麺よりもなじんでいるように思いました。とはいえ、どちらも好みなんだけど。

 帰りに、ごみ集積所のネットを買って、帰宅して設置。夕食を作ってから、眼科検診で指摘を受けた次女を眼科へ連れて行く。待ち時間で寝る。検査結果も大事には至らず経過観察でよし。ドンキで整髪料を買って、と、いろいろ動けた休日でした。仕事のことはほとんど忘れていたので、頭はずいぶん整理できた一日でした。合気道のことも考えられなかったけど、まぁおいおい。

 休日って、今の私にとっては、身体を休めるというよりも、如何に頭を休めるか、が大事なように思う。その意味では、とってもいい休日でした。そういえば、姉の50歳大台の誕生日でした。連絡済。


■NHK高校講座「日本史」 230530

 「世界史」に続いて、日本史の視聴へ。コンセプトが違うのか、番組の作りが違っているように観えるのは面白い。「世界史」が研究第一線の学者さんが語るのに対し、「日本史」は歴Cafeに高校生二人がやってくるのを、歴ジョ小日向えり氏がもてなす、といった構成で、歴史資料や取材の様子を交えながら歴史を学ぶというもの。監修が入って20分の尺にまとまっているので、内容も充実している。


■合気道メモ 230528

既定技

・座り技片手持ち二ヶ条抑え(一)

・正面打ち四ヵ条抑え(二)

・正面打ち小手返し(一)

指定技

・両手持ち四方投げ(一)(二)

・横面打ち四方投げ(一)

・正面打ち肘締め(一)座

・肩持ち肘締め(二)座


■NHK高校講座「世界史」 230528

 ラジオ番組が好きなので、政治経済とか倫理とか聴いていたのですが、世界史もきちんと通史をやっておきたいと思い、NHK教育のアーカイブ放送を一から全部みてみました。結論、大変面白いし、教科書には「すべては書いてあるけど、行間にも情報がある」ことを改めて実感させられた。それに加え、歴史を学ぶ時には、必ず時代背景をイメージすることが学びを深めること、更に、歴史的事実には、それを行う側と受ける側の見え方が全く異なることに意識的になることが言える。


2023年5月28日日曜日

最近考えたこと 230528まで

寝る前に軽く体操(みんなの体操)をする習慣がついたので、もう一つ「書く」習慣に挑戦。POMERAがあるから、できそうなこと。粗削りで、雑な日記です。


■カウンセリングは世界を救う! 230528

 カウンセリングのスキルって、いろんなところで役に立つ。個別面談でクライアントをエンパワメントするだけじゃなくて、エンパワメントされた人が醸し出す前向きエネルギーは、仕事のパフォーマンスだけじゃなくて、周囲にもいい影響を与える。いい影響を受け取った人たちは、やっぱりいい雰囲気を醸し出せるようになって、また周りにいい影響を与えていく。こうやって広がっていった「いいエネルギー」が作る気流みたいなものは、ちょっとした悪いことも前向きに乗り越えていくだけの勢いがついてくる。何か「やばっ」ってことが出てきても、犯人捜しじゃなくて「どうする?」に注力できるようになる。

 この1ヶ月で私がちょっと使ったのは、以前身につけたカウンセリングの技法の基本的なこと「聴いて、伝える」だけだったんだよね。愚直なことしかできないから、愚直にやってみただけなんだけどね、できることしかできないから。


■自分のこと、を聞きたいのになぁ 230527

 時に周囲の雰囲気とは全く「合わない」自分を感じることがある。その場のエネルギーの流れに乗れず、前からそこにあった岩が川の水を分かつような感覚。「何が面白いんだ?」と思っていろいろ考えてしまう。結果、面白い理由なんか全く理解できず、面白くないから笑うこともできず、時にその会話の内容を聞いていて不愉快になることもある。つくづく不器用だと思う。無反応は周囲にも伝播しやすく、その場の人間関係によっては完全に水を差してしまうわけで。最近は、こういうことを感じた時には、作り笑いまでいかない穏やかな顔を作ってから、席を立つことにしている。タバコが吸えない私は席を立った後徘徊してしまうことになるのだが・・・

 何か、いろんなところで思うのだけど、「その場にいない人の行動」を「指摘・評価して」「良くも悪くも笑いものにする」というのはいかがなものかと。それが、その場(2人なら2人の間、3人以上でも)の共通言語になるならば負の感情を伴う話題であっても、それはその場のエネルギーにのることができるのだけれども、その話題が「自分にとってそう思わない」ことであれば、そのエネルギーには合わせることができず、川中の岩になってしまう。その場に居続けるのは、岩に当たる水勢が強く感じるのと同様に、結構しんどい思いをすることになる。

 内容はどうあれ、私がどんな話題ににも合わせられるという条件はただ一つで、それが「私にとってどうか」ということが含まれること。他人のことを指摘したって、それを「自分とは合わないんだよね」と結んでくれたら、多分「なるほどね」と前のめりになれるのだろうな。逆に言えば、私が基本的にどんな内容であっても興味が持てる話題は、目の前にいいる「あなた」自身のことを、自分なりに表現しているものなんだよね。


■サービスの停止 230526

 地味だけど素敵なサービスが終了することになったとのお知らせがあった。残念である。私にとっては良質なテキストを安価で定期的に配信してくれるものだったので、最近では珍しい取り組みだなぁと思って利用していた。ちょっとした時間に内容を確認して、勉強になるというものでした。

 どうやら、支払いの都合によるもの、とのことでしたが、私目線では納得はいかない、でもきっと配信者さんにとっては大事なことだったり、あるいは、元々何かマイナスバイアスがかかっていたところに、今回の件があってこれを機会にと中止した、とも推測できます。いずれにせよ、しばらくは楽しく使わせていただいていたので、残念ではあるので、この方の次の取り組みに注目しつつ、サブスク費用は他に振り分けようと思います。


■動画広告 230523

 以前から、動画広告の品のなさには辟易させられているが、相変わらずである。「儲かる」とか「得する」みたいなものばかりで、とにかく集客すればいい、みたいな雑な内容を垂れ流されると、時間の無駄だし、利用するわけでもないのにこんな風に不愉快になったりしている自分にも嫌気が指す。ついに、節税をうながすような内容のものまで出てくるようになったが、「納税=損」みたいな前提で、投資を促すような内容で、これまた品のなさを感じてしまう。自分で商売やるのは勝手だけれども、高額な金券がもらえることをエサに、投資サービスに誘導しようとすることには、やっぱり組せない。

 やっぱり、人間の法則「本当に儲かる話は、独り占めする」わけで、相談してウン万円、広告打って何百万って積んでいくと、このサービスはどこかにしわ寄せがくるのだろう。だいたい、本当に儲かる不動産なら、人に売らないで自分で買うよね。


■個別面談 230522

 係長級兼務となって、とりまとめをすることになったチームそれぞれの係員と個別面談を実施している。作業が遅れているのはご愛敬。個別に話をすると、普段の行動ふるまいからは読み取れないような感情を見つけられることもある。大変面白い。「はじめまして」の人でこれである。二度目、三度目になる人は、その人の成長なんかも見えて、大変面白い。


■審査稽古 230521

 合気道の審査が7月に予定されている。3級に挑戦するつもりでいる。これまでいろんな技をやってきたが、その忘れっぷりたるや、あきれてしまうほどである。ただ、体術である以上、なんとなく覚えているものや、動き始めたら「なんとなく」動ける(ようにみえる)ものもある。とはいえ、合気道ってのは体系だったものだし、一つ一つの動作に意味があって、理想的に攻めて受けた時の一連の流れが技であるから、「なんとなく」ではまずい。大人になってから、頭と身体を同時に使って、同時に「わからない」が生じて、頭から煙が出てくるようなチリチリとした感覚を味わう機会というのは、本当に少ないので、焦りながら楽しんでいます。さて、どう覚えたもんかな。

2023年5月21日日曜日

ここ2か月くらいの出来事と都度考えていたこと

よし、がんばろうって気になってきました。ここ2か月くらいのことについて。

 ■キックオフ 230521

 ようやく、ようやく動き出した感がある。課題山積の兼務先で、ようやくキックオフミーティングにたどり着けた。モチベーションがちぐはぐで、前向きに動き続けられる人がいる反面、犯人捜しに躍起になってしまっている人もいる。まずは受け止めて、その上でベクトルを示すしかないが、どこまで力が及ぶか、という不安が常につきまとう。その不安も、やはり業務がわからないところに、とりまとめ役として人をひっぱっていかなければならないという役回りによるところだと思う。昨年度のこれを、少し楽しみながらもう一度気流を作っていくしかないのだろうな、と思う。

 思えば、とりまとめ役(リーダー≒今の職場なら係長級)というのは、上からは現場と観られ、下からは仲間と見られがちな位置なのだろう。いろんなスタイルがあるし、現場から持ち上がりでとりまとめ役になる人も少なくない。現場のことを知り尽くしている人と、まったくそうでなくて異動したらとりまとめ役だった、という私みたいな人もいる。そういうストレスがある、っていうことを、この1年で充分味わっているので、よく言えば慣れもある、悪く言えばまた負担になる、というところなのだろう。

 とはいえ、できることしかできないし、そんなに器用じゃない自覚はあるので、いつも通りにやるしかない、と思うこの頃です。体重は半年で4kgくらい減っています。身体は壊さないようにしよう。


■環境の変化再び 230514

 先月末にメモを書き留めた直後、隣の係長職が復職して復帰、そして先週末再度休職へ。チームのメンバーの混乱はもちろんのこと、管理職も動揺してしまっていたので、調整?というか、自分自身のバランスをとることに注力してきました。なんとなくキャスティングボードを握る形になってしまい、性には合わないのだけれども、とはいえ求められることはある程度やりながら、見える範囲をできるだけ広くして、できるだけ「全体」を意識した波乗りをしないと、他人の感情の渦に巻き込まれてしまう。幸い、兼務元の安定感があるのと、業務が少し落ち着いてきた(先が見えてきた)ので、協力が得られるため、こちらも交渉カードを切ることができて、今のところ感情面の被害は最小限に抑えられているのだと思う。

 席上でも言ったのだけれども、犯人捜しを敢えてするならば、復職者を係長職で戻せといった管理職よりももっと上の人たち、としておくこととして、それ以外の犯人捜しは生産的でないので、パーキングエリアに出すとしても表面化させないようにして、立て直しに動くこととする。幸いなことに兼務先にも、動揺しつつも、馬力を出そうとしている数名がいるのが心強い。立て直し、といっても、現状把握→計画→実行→ふりかえり→…は変わらない。短期間で騒げる実績と、些細なことを無視できる前向きな雰囲気の醸成、内外から援助が得られる雰囲気作り、とやるべきことはなかなか多いので、できることを最大限にして取り組んでいこうと思う。今年度は「生き残る」ことと「一つでも進める」ことが目標になりそうだ。


■環境の変化 230423

 4月に入り、昨年度と同じ職場で勤務しているのだが、環境の変化が甚だしい。

 まずもう何がって、隣の係の係長職が年度変わってすぐに退職してしまうというハプニングが起こりました。これが国の検査の数日前だから、もう混乱の極みである。提示された管理職案が個人的にも元の係にも到底了解できる内容ではないので、それを蹴って、最終的にはIyokiyehaが係長級を兼務する体制になってしまいました。個人的にはやり方工夫して乗り切ろうと思っているのだけれども、意外にもいろんなことに気を遣ってしまう自分がいるんだよね。1ヶ月で3kgくらい減量しているが、割とストレスになっているのだろう。

 便宜上、昨年度の持ち場を「兼務元」、今の体制で追加になった持ち場を「兼務先」と呼ぶことにして、これが集約じゃないのが、ちょっと悩ましい。要は、人を持っていかれるように見える「兼務元」と、助けに来てくれる期待を持っている「兼務先」とのニーズのベクトルが全く異なることに起因するやりにくさ、のことです。「兼務先」をどうにかしなきゃいけないから、そちらに注力すればするほど「兼務元」は面白くないわけで。逆に、戻れるか分からない(この辺は管理職と現場・私の意向が異なる)「兼務元」に立脚した言動は、助けて欲しい「兼務先」にはやっぱり面白くない、ということは容易に想像がつく。これがまた、職員の人間関係がいいので成り立っている、という微妙なバランスの上に成り立っていることを知れば知るほど、気を遣う。まぁ、それくらい気を遣わなきゃいかんのだろう。

 並列の課題として、他にもたくさんあるのだけれども、大きなところは新規採用者への関わりだろう。昨年度に新規採用者を受け容れ、更に今年度も受け容れている。係が一気に若返っているのはいいこともあるのだけれども、業務スキルとしては若干低下していると読むのが妥当だろうし、それを適切に引き上げていくところには、多少なりともケアが必要と考えるが、その馬力が確保しにくい。

 こういうことを背景に抱えながら、更に言えば、Iyokiyeha自身の課題なのだけれども、新しい仕事を人から習うところに時間がかかるということ。「兼務元」は係長業務を中心に、年度末にかけて全体で不足している業務をサポートさせてもらえる環境だったので、自然に教えてもらって円滑に作業に入ることができたのだけれど、「兼務先」は元々基幹業務に係長が食い込んでいるので、ダブルチェックに疑問のある作業が舞い込んでくることになる。これをどのように習熟して捌くか、という私にとっては若干苦手な作業が課せられることに対する不安がつきまとう。

 とはいえ、これは不運な末に対応を迫られている、というよりは「いつ、どこであっても、起こりうる」事象なのだろうと、考えられるくらいの視野は広がってきた。要は、係に女性がいるならば、出産・育児のためにいつ戦線離脱するかもわからないわけだし、このご時世、介護で休職なんてのは珍しいことではない。そもそも家族・少子化対策の一翼を担っている私の持ち場が、急に人が欠けることによって機能不全になるなら、それはそれでリスクヘッジに課題がある、といわざるを得ない。そもそも、同じ係員が事故で戦線離脱することもあるわけだし。

 ちょっと愚痴っぽく書き留めていたら、前向きな気分も生まれてきました。結局、現状把握→適応→行動→ふりかえり→現状把握→・・・というサイクルは変わらないのだなと思いました。そして、結局今回も我を通してしまっているのだな、と改めて自覚するに至りました。さぁ、がんばろうっと。

2023年5月13日土曜日

香取照幸『教養としての社会保障』東洋経済新報社、2017年。(以前Audiobook版聴取歴あり)

  医療、介護、年金、子育て支援、地域福祉、雇用保障など、「社会保障」とは様々な分野で人が生活する上で最低限必要なことを、公的制度として保障するものとして位置づけられています。「国民の『安心』や生活の『安定』を支えるセーフティネットである」と定義づけられるとしています(44頁)。その上で、「現行の社会保障制度の基本的な哲学は、『自助』を基本に『共助』で補完する」(47頁)とする、昭和25年の社会保障制度審議会勧告を引用して、原理原則を説明しています。この文脈に立つと、自助、共助、公助のうち、公助とは生活保護制度のことを指し、冒頭のように、いわゆる「社会保障」と言われた時にイメージできるような諸制度のほとんどは「共助」に該当する、と整理できます。そして、その原則は、国民が経済的・社会的に自立し、自分の生活を支え、自分の健康維持をはかる「自助」が基本にある、ということになります。「自立した人同士がリスクを分散するための制度が共助であり、自助があるから共助があるのであって、自助のない共助はない」(48頁)という一文に、社会保障制度のすべてが集約されているといっても過言ではないように思います。

 本書では、戦後の医療保険の発展から紐解き、年金に関する解説に続き、人口減少社会に関する現状と見通しに触れ、雇用、福祉、介護など各論を展開していきます。いずれも、歴史をきっかけに、現状、そして見通しの解説の上で、「提言」として著者の「こうなるといいな」が論じられています。特徴としては、どの部分を切り取っても、地域生活、社会のデザイン、そして上記で引用した社会保障制度の根幹を考慮して、著者(≠政府)が論じているという点といえます。多分、解説だけなら、中央省庁や学者さんの解説を読んだ方が詳しいのだろうし、提言なら(信頼できる)雑誌・新聞の記事なんかを読んだ方がいいのだろうけど、香取氏が官僚として社会保障にどっぷり浸かった経験が整理され、一般向けに(といっても、少し難しめだけど)まとめられている点が、大きな特徴といえるでしょう。

 制度とは「共助」であるわけですが、だからといって言われたことを何でもやればいいというものではないはず。かといって「自助」が基本とはいえ、その「基本」は社会規範にあったとしても個別事情まで考慮すれば、できる・できないの境界は明確に線引きできるものではない、といえるでしょう。だから社会保障制度は難しくて、だから人の手が必要だ、ということを、改めて確認する機会になりました。行政、社会保障に関わる人にはおすすめの一冊です。

藤井一郎『プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中』東洋経済新報社、2011年。Audiobook版、2012年。

  企業M&Aの交渉現場のノウハウを起点に、心理学や行動経済学の知見を踏まえて説明する一冊。「相手に選択させる」ためのノウハウが詰まっている。

 専門的な知識や手法についても、様々に説明されているが、基本的にすべての物事について、交渉現場の知見から帰納法で説明されているため、経験はなくとも現場のやりとりの場面が想像できて、行動レベルのノウハウは理解しやすい。その上で、理由や根拠を専門的な知見から説明しているため、もう一段、応用が効く形で理解できる良著。

相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』講談社、2019年。Audiobook版、2020年。/相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』講談社、2021年。Audiobook版、2022年。

  奇術士城塚翡翠シリーズ。推理小説なので、内容は詳述しないが、大変面白い。主人公城塚翡翠のキャラクターが立っているので、それだけでも読んで(聴いて)いて面白いのだけれども、推理部分が完全に事実に基づく論理によって暴かれるため、内容が小気味いい。奇術師としての側面が活かされる場面も観られるが、基本的には証拠と推理によって犯人を追い詰めていく。その語り口は、読み物として大変面白い。