2025年12月20日土曜日

戦場の選択

 何事にも「戦うべき場所」がある。自分に向けられる刃をすべて受ける必要はないということです。
 「絶対にかなわない相手こそ土俵に上がってこない」(宮島未奈『成瀬は都を駆け抜ける』Kindle版、位置No.1218。)という箇所を読んで、なぜかいろんな経験がつながってきた。楽しく読んでいる小説は、油断しているとこういうことが起こる。今日は自宅に誰もいないから、近所のカフェでサンドイッチを注文して待ち時間に本書を読んでいてこれである。人間の頭って面白い。
 自分の気づきは、要するに「自分に見えているものがすべてではない」ということ。普段の生活でも、何か窮地に陥っていても、心地よい場所でも、不快極まりない場所でも、自分の視野の外に無限の世界が広がっている、ということです。本当に対峙したい人やコトが、自分の土俵の上にのっているのかどうかって、気づけるようでいてそうでもないかもしれない。自分が「戦うべき」と思っていることが、実はお釈迦様の手の平で踊っているだけだったり、逆に何も特別な環境でもない時に起こったことが、後で自分の人生を変える(変えた)ことであったのかもしれないし、何か「よくわからんなぁ」というくらいでいた方が、多分視野が広がるんだろうな、ということです。もう一つつなげて広げると、どんなにしんどい時であっても、自分に恥じない生き方さえしていれば、きっとどこかに味方はいるのだろうな、ということです。このことに気づいて自分はもう一つ楽になったな、と思う。
 小説の文脈ともちょっと違うし、なんでこんなことを考えたのか、とよくわからないことがあるけれども、いい意味で方の力を抜いて、視野を広くすると、今いる場所は、いるべき場所(戦わなくていい場所)ではないかもしれない、ということです。思考は無限だ。