小川糸さんの『針と糸』をオーディオブックで聴いている。まだ、序盤でドイツの暮らしを表現しているところなので、まだまだ今後の展開が楽しみなのだが、日曜日は国全体が休み感覚であることや、週末の喫茶店ではWi-Fiが使えないとか、個人商店の魚屋さんが週末に広場で商売をしていること、自宅周辺には個人商店が軒を連ねて、わざわざ遠出してショッピングセンターに行かなくても、近所で生活はまかなえてしまうというくだりを聞いて、羨ましい気持ちが湧き上がるとともに、普段の生活がいかに「あたりまえ」に支配されているのかを考えるに至る。
ちょっと考えてみると、普段の生活の中であたりまえのようにやっているけれども、実はやらなくても困らないことって結構あるな、と思うこともある。なんとなくあたりまえで使っているお店で定期的に買っているものも、実は近所で同等のものが手に入ったり、そんなこともある。最近は宅配サービスもあるから、便利ならそういうものも使ったら、自分の生活から緊張感が減っていくかもしれない、とそんなことを思った次第です。
まぁ、要は、何か余裕がない時でも、軽く深呼吸してみると意外と視野が広がるかもしないってことです。これってやらなきゃいけないんだっけ、これって今日ホントに必要なんだっけ、明日までがまんすればあとは要らないんじゃね?とか、いろんなアイデアが出てくれば、その時々でよりよい判断を行うことは、そんなに難しくないかもしれない。あるいは、切羽詰まっていると思っていたことも、実はちょっと急ぎで片付いてしまったり、急ぎでと思っていたことが、別にいいじゃん、と思えてきたり、こういう時も0か100かじゃなくて、「ちょっと楽」くらいで10点くらい削れたらそれでいいかもしれない、そういうことです。
しんどいときこそ冷静に、忙しい時こそ呼吸を意識してゆったりと、いろんなものと適切に距離を保って、いろんなことに向き合っていきたいと思うこの頃です。