シリーズ11作目。前作『硝煙の詩』でドイツ軍の捕虜となったインディの脱走劇。相方が若き日のドゴールというのも面白い。
第一次世界大戦を一兵卒から描いた前作とは打って変わって、今作はエンターテイメント性が強く、『モンテ・クリスト伯』のような脱走劇に、魔女狩りの歴史がスパイスとなって読み物として大変面白いものになっている。テレビシリーズ当時も屈指の好きなエピソードでした。
脱走なんてのは、ドラマの話だと思っているけれども、実際には結構あった出来事なんだろうな。とはいえ、トンネルを掘って逃げる「ショーシャンクの空に」みたいなものもそんなに件数があったとは思えないけれども。今作もトンネルあり、孤島あり、棺桶ありと何でもありの物語になっている。一気に読ませる勢いがある。