「地面師たち」というドラマがネットフリックスで公開されており、妻の勧めで一話を観て、それっきりになっていた。同名の小説が紹介されていたので試してみる。
とにかく「気持ち悪い」と「人間が本能むき出しになる瞬間」が交差する。ドラマのエピソードとは異なるのか?とはいえ、ハリソンが主要な登場人物として現れるなど、どちらかがモチーフとなっているのだろう。
ハリソンの人間描写やちょっと倒錯した性癖など、元アスリートが成績不振をきっかけにギャンブルに身を投じ、通常の思考あるいは本人が落ち着いた時の思考では「ありえない」行動を、自分の欲(感情)に従って選択してしまう様と、その結果によって現実を突きつけられ、後悔と他責と自責が混在して混乱しつつも冷めていく様子など、人間にありがちな感情の動きを、振れ幅大きく、とかく「気持ち悪く」描かれている。
とにかく「気持ち悪い」のだが「気になる」読み物だ。登場人物一人一人のキャラクターが尖りすぎていて、元気のない時には気持ち悪さが優位になってしまう。ちょっと注意です。