2025年7月23日水曜日

米国戦略諜報局(OSS)著、越智啓太、国重浩一訳『サボタージュ・マニュアル:諜報活動が照らす組織経営の本質』北大路書房、Audiobook版。

 ちょっと変わった一冊。
諜報(ちょう ほう) 敵の様子をひそかに探り、味方に知らせること。また、その知らせ。(デジタル大辞泉より)

 イメージしやすいのは「スパイ」なのかもしれないが、様々な諜報活動があるなかで、その技術や知見を利用して「組織にダメージを与える」ことを知ることにより、組織の在り方を考えることを促す一冊。いろんな方法で、人間関係や組織の雰囲気に悪影響を与える方法、物理的に物的資産を故障、不具合、破壊する方法、ハードにもソフトにも、様々に紹介されているが、これらの内容は「自分がそれを試してみる」ではなくて「敵はこう考えて組織を壊しにくるから…(どうする)」と続く思考を促す一冊といえる。
 印象に残ったのは以下の部分。
・諜報員が見て、分析する、組織の弱点。
・諜報活動として、質的に円滑さを失わせて不協和音を生む方法と、物理的に資産を壊す方法がある。
・例えば、規則を頑なに守る、というのはそれによってクライアントや組織内に不便が生まれる。頑なに厳守を主張することにより、組織内の円滑さが失われる。
・機械ものは、砂や過剰な油分(ちょっとしたこと、あるいは適量ならば必要なもの)に弱い。