今年は、毎日朝散歩に出た後で、家に入る前5分くらいで部分部分の草むしりを行っている。おかげでぱっと見はそこそこ手の入った庭に見えるが、結構な作業量になっている。
そんな最近の気づき。一部の自治体では駆除が周知されている「ナガミヒナゲシ」が、多分に漏れず近所にも生えている。明るいオレンジの丸っこい花を、ちょっと背を伸ばしてつけるもので、みなさんもどこかで見たことがあるかもしれない。我が家の庭にも2年ほど前に入り込んで駆除して今は平和であるけれども、自宅前の歩道にもちょくちょく生えてくるので、そちらも併せて見つけると抜いている。
以前紹介した稲垣栄洋氏の本の中で、同じ植物でもそのエリアの状態によって花のつけ方が変わるという話があったことを思い出す。
ナガミヒナゲシは茎をぐんと伸ばして、周囲の草花よりも高いところに花をつけるように見受けるのだけれども、群生し始めているそれらを抜くと、その次に生えてくる個体は、ずいぶん低く花をつけることが多い。これはむしった後の土壌の状態が反映されているように思えるのだけれども、不思議なもので、ほかの草花があってピンポイントで抜いた周囲に生えてくる次の個体も割と低く花をつけることが多いような気がするのですね。まぁ、これも土壌の状態が…ということで説明がつくのかもしれないけれども、これが意外と広い範囲で起こっている現象だということが、抜いては生えてくる繰り返しを通して感じられることなんですね。
そこで先日「ヴォイニッチの科学書」を聞いていたら、知的生命体はなぜ人間だけなのか、という話題の中で「人間以外にもコミュニケーションをとっている生物はたくさんある。植物だって何かあるかも」みたいな話をしているのを聞いて、あぁ、こういうこともあるのかもな、と思った次第。ひょっとしたら、ナガミヒナゲシコミュニティの中で「あそこは今年、ヤバいおっさんがやたら抜いてくるぜ」という噂が広まっているかもしれません。
そんな植物のすごさ、不思議に触れるこのごろです。