先日感想をアップした『スマホを落としただけなのに』の続編。第一作がウライの人となりの描写をこれでもかこれでもかと畳みかけるようで、気持ち悪いやら怖いやら、帰宅時の夜道にはあまりそぐわない内容だったのですが、この第一作に負けず劣らずの怖さがありました。テーマが個々人から対組織へとシフトしているので、スケールの大きさが、ウライ本人の気持ち悪さを覆い隠しているようにも感じましたが、彼らを取り巻くほかの悪いヤツもまた怖い、気持ち悪い描写で、小説としては面白いのだけれども、現実との接点を感じると非常に怖い。スマホという電子機器をめぐる知略が飛び交うモチーフの中に、なんとも言えない人物描写がタイミングと鋭い内容で飛び込んでくる。続編にふさわしい内容でした。
(2025年3月25日アップ 志駕晃『スマホを落としただけなのに』)
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