読書メモ:ジュディス・S・ベック著、伊藤絵美、神村栄一、藤澤大介訳『認知療法実践ガイド・基礎から応用まで』星和書店、2004年。(1)25ページまで。
○認知療法とは、認知的概念化を通じ
1)特定の障害
2)患者個人
を理解することを重視する
○原則
・認知療法とは、
1)全ての話題と患者の抱える問題を、常に認知的支店から概念化し、それに基づいて実施する
-話題を「データ」とし、共通点を見つけ抽象化・一般化を設定し続ける
2)確固たる治療同盟を重視
-基本的には双方向コミュニケーションに基づく
3)協同作業と治療への積極的関与を重視
-セッションは治療者とクライアントが協力して選択、決定する
4)問題に焦点を当て、目標志向的
-すでに習得ずみの解決力の発揮を妨げている、非機能的な思考を検討する
5)<現在>を強調する
-「今」悩んでいることが重要。過去に焦点を当てる時は、
①クライアントが強く希望したとき
②「いま、ここ」の検討が、認知・行動・感情的な変化を生み出さない場合
③「いつ」重大な非機能的思考が形成されたか知る必要がある場合
6)心理教育的で、クライアントが自分自身の治療者となることを目指す。再発予防を重視する
7)治療の回数・期間を、制約あるものとして考える
-概ね4~14回のセッション
8)セッションを構造化する
-わかりやすく、セッションの主導権をクライアントがもてるようにしやすくする
9)クライアントが、非機能的な思考や信念を、自ら把握・検討し、それらに対応できるように誘導する
-ソクラテス式質問法:質問を重ねることで、クライアントが「自ら」気づいたり、発見したりするよう誘導する手法
-誘導的発見法:クライアントが抱えている感情の拝啓にある信念を明確化するために、クライアントの考えの意味するところに質問しつづける手法
10)クライアントの思考・気分・行動を変化させるために、さまざまな技法を活用する
○セッションの進め方
・個々のクライアント
・クライアントの抱える問題の性質
・クライアントの目標
・クライアントと強固な治療関係を築けるか
・動機付けの高低
・過去の治療体験
・治療に対する好み
これらによって、セッションの進め方は影響を受ける また、クライアントの障害により、強調点は変化する
○自動思考の把握
What was just going through my mind ? どんなことが、私の頭に浮かんだのだろうか?
○認知モデル 認知療法は、「認知モデル」に基づく 認知モデルとは、「人の感情や行動が、その人の出来事に対する理解の仕方により影響をうける」という仮説(イラスト参照)